iPhoneロック問題、米議会がFBI長官をフルボッコに

iPhoneロック問題、米議会がFBI長官をフルボッコに 1

FBI仕事しろ!と厳しかった公聴会、かといってアップルの勝利でもない。

3月1日、アップルとFBIのiPhoneロック解除をめぐるバトルについて、米議会で当事者に対する公聴会が開かれました。アップルからは法務担当上級副社長のBruce Sewell氏、FBIからはJames Comey長官が召喚されて、計5時間にわたってそれぞれの主張を繰り広げましたが、落としどころは見えないままでした。

とはいえ、際立っていたのは共和党・民主党両方の議員から続々とFBIのComey長官に厳しい質問がぶつけられたことです。The guardianでは「通常Comey氏が出席する公聴会は、FBI長官にいかにおべっかを使うかのコンテストだ。(略)だがこの日の下院司法委員会はいつになく党派を超えて、Comey氏に鋭い質問を投げかけ、彼のアップルに対する主張を丁重に引き裂いた」と評しています。以下、そのハイライトをまとめます。

FBI長官の苦しい言い分

公聴会のはじめ、Comey氏は用意してきたスピーチで「暗号化がテロリストの隠れみのになっている」「自分たちにはそれを暴く道具がない」という従来の主張を繰り返しました。でもその後、議員たちがありとあらゆる方向からコミー氏に疑問を投げかけ、彼の主張の苦しさが露呈してきました。

Quartzによれば、共和党のダレル・アイサ議員は、テロリストのiPhoneを自力で解読すべくFBIが全力を尽くしていないことを指摘しました。彼はComey氏に、iOSのソースコード提出をアップルに要請したか、データのコピーを無数に作ってパスコードを総当りで試すことを検討したか、などと質問しました。Comey氏はこれらの質問に対し「質問の意味がわかりません」「知りません」「私はFBI長官です。そんな質問に答えられたらリーダーシップに問題があります(意訳:トップなんだから末端のことなんか知らねーよ)」という回答でした。

議員ではなく御意見番として公聴会に参加したワーセスター工科大学のスSusan Landau教授は、FBI以外の政府機関ならiPhoneの暗号を解除できるのではないか、そういった他組織の協力を求めてはどうかと言いました。また、FBI自身の技術力を高める必要があるとも指摘しました。

またiPhoneからのデータ取得が難しくなったのは、FBI自身が間違ってiCloudのパスワードを変更してしまったためです。この点も議員たちからたびたび指摘され、「お前らのミスなのになんでアップルが尻拭いするんだよ」と突っ込まれました。さらにはこの公聴会の前日、ニューヨークの地方裁判所でアップル支持の判断が下されたのですが、Comey氏はこの判決文を読んでいませんでした。

そんな具合に、FBIがいろいろなレベルとタイミングで抜けていた点が次々とさらしあげられました。私がComey氏だったら一生分の脇汗をかきそうです。

アップル側にも批難の声

一方アップルへの質問に関してはそこまで厳しいものはありませんでしたが、批判的な意見がなかったわけではありません。

共和党のジム・センセンブレナー議員はSewell氏に対し、「あなたたちはずっと、ノー、ノー、ノー、ノーと言い続けるだけだ」と批難しました。そして「あなたたちは議会にどうにかしてくれと言いつつ、こっちがどうすりゃいいんだと聞くと、『わからない』と言う。FBIは捜査機関が確実に情報を得られるようにはっきり政策提案してるんですよ」と詰め寄りました。代案を出せ、と。

共和党のトレイ・ゴウディ氏も同様に、「ロビー活動をやめて、自分たちが賛同できることを自ら提案してはどうです?」と、要は文句があるなら法案にしてくれと迫りました。Sewell氏は最初「私たちはただ議論を求めているんです」と若干腰が引けていましたが、その後「(法案化の)プロセスに参加するつもりです」と前向きな態度を明確にしました。

…というわけでまだまだ平行線ながら、FBI側で技術的にできることを試すとか、アップル(と多分FBIも)の協力の下新たな法整備をするとか、それなりに選択肢が顕在化されてきた感じはします。ただ最終的にその中の何を選ぶのか、または新たな道があるのかは結局不透明で、これからも綱引きが続きそうな予感です。

source: The guardianQuartzEngadget

Kate Knibbs-Gizmodo US[原文12

(miho)