ちょいオデッセイ。火星を模した土でトマトやマメの収穫に成功

2016.03.14 22:00
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地球と同じくらいの量が穫れました。

火星と月の土壌を再現した土を使って、トマトやエンドウマメなどの野菜を育てて収穫する実験が成功しました。映画『オデッセイ』的なことが火星の土で本当に可能ってことで、地球外への人類移住に向けて一歩前進です。

オランダのヴァーヘニンゲン大学のWieger Wamelink氏率いる研究チームは、火星と月をシミュレートした土で野菜を育てる実験を2014年から進めています。土はNASAから提供されたもので、火星の土はハワイの火山、月の方はアリゾナの砂漠が原産地ですが、それぞれ本物の火星と月の土に極力近い成分に作られています。

Wamelink氏らはこれまでの実験で植物の発芽には成功していましたが、今回はさらに作物の収穫までできました。穫れたのはトマトにエンドウマメ、ライ麦、ルッコラ、ラディッシュ、コショウソウとバリエーション豊富です。

さらにうれしいサプライズもありました。Wamelink氏によれば、火星の土で育った野菜は地球の土で育ったものとほぼ同じ大きさになり、収穫された野菜の質量合計も地球とほとんど変わらなかったのです。


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月(L)と火星(M)、地球(E)で育ったエンドウマメ/Wieger Wamelink


ただそうは言っても、実際に火星の上で農作物を育てるにはまだまだ大きな障害がたくさんあります。火星行きミッションを打ち上げるための技術的・予算的・時間的課題があるだけでなく、そこに人間が行くとしたら生存するための環境や物資が必要だし、農場的なものを実際どう作るのかも課題です。火星の農場は、きれいな水の供給源や安定的な光(多分電気で実現)を必要とするだけでなく、Wamelink氏いわく宇宙放射線などの影響を避けるために地下に作られると考えられていて、なんだかんだ一筋縄ではいかなさそうです。

それでも火星や月の土が使えそうだということは、土以外の課題も解く価値があるということです。だってそれらをひとつひとつ解決できれば、地球上で穫れるのと同じくらいの量の野菜を育てられる土壌があるんです。


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火星の土壌で再現した土で育ったトマト。 /Wieger Wamelink


ただもうひとつ気になるのは、味はどうなのかってことです。もう収穫できたんだから食べればすぐわかるじゃんと思いきや、これまたそう単純じゃないみたいです。実験で使われた土には鉛やヒ素、水銀や鉄などの重金属が含まれているので、その土で育った野菜にもそれらの成分が含まれているかもしれないんです。

そこで研究チームは、次の実験テーマを作物の安全性検証としています。彼らはその実験の資金をクラウドファンディングで集めようとしていて、500ユーロ(約6万3000円)出資すれば、実験で収穫した作物を使った「火星食ディナー」が食べられるとのことです! マット・デイモンが味わったものを確かめたい方、いかがでしょうか?


Top image by NASA / JPL-Caltech

source: AlphaGalileo , Wageningen UR

Ria Misra - Gizmodo US[原文
(miho)

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