第9惑星発見へ「あと2、3年」? 天文学者からアイデア集結中

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冥王星が惑星じゃなくなってから10年、2代目第9惑星の発見なるか。

土星探査機カッシーニは1997年に打ち上げられ、現在最後のミッション遂行中です。でもこれから、さらなる仕事が発生するかもしれません。カッシーニはこれまで膨大なデータを収集しているのですが、そこに第9惑星の探索という新たな使い道が出てきたんです。

今年1月、カリフォルニア工科大学の天文学者マイク・ブラウン氏とコンスタンティン・バティギン氏が、第9惑星が存在する証拠を発見したと発表して世界の注目を集めました。第9惑星といえば、かつては冥王星がその肩書を持っていましたが、ブラウン氏が海王星の外側で複数の天体を発見したことがきっかけとなり、「準惑星」に分類変更されました。そのため「冥王星キラー」とも呼ばれる彼が、地球の10倍の質量があるという新たな惑星の存在を主張しているのです。

ただブラウン氏たちは、その惑星の姿を望遠鏡などで見たわけではありません。彼らは海王星の外側にあるエッジワース・カイパーベルトにおける天体の軌道を観測し、そのデータに基づいて第9惑星の存在を推定しているだけなのです。

それでもすでにあちこちで第9惑星探索が始まっています。ただ海王星の外側ということは、地球からはものすごく遠く、そのため反射する太陽の光もかすかでしかありません。なので適当に望遠鏡を向けて探しまくるという方法は現実的じゃありません。そんなわけでNew Scientistによれば、通常とは違ういろんな手法が考案されています。

そのひとつが、カッシーニが集めてきた無線測距データです。フランスのニース天文台のアニエス・フィンガ氏らは、そのデータを使って太陽系全体の大きな星の動きをモデル化し、それによって第9惑星がとりうる軌道の候補を当初の約半分にまで絞り込みました。フィンガ氏いわく、カッシーニのデータ収集を2020年まで続ければ、さらなる絞り込みができそうです。

またマギル大学のニコラス・コーワン氏は、第9惑星が発しているはずの電波に注目しています。それは非常にかすかなミリ波の電波だと考えられていますが、ビッグバンの名残である宇宙マイクロ波背景放射(CMB)を観測する衛星プランクなどが、同じ周波数のデータを収集しています。第9惑星の移動速度は他の小惑星とは大きく違うはずなので、数ヵ月の観測で識別が可能になるのではないかと期待されています。ただしCMB観測用の望遠鏡の多くは視野が狭いので、そこに第9惑星が引っかかってくるかどうかが課題です。

ともあれ天文学コミュニティは今、第9惑星の存在確認に向けてあらゆる知恵を出しあっているようです。その発見(または不在の確認)までにかかる期間について、コーワン氏は「そんなに長い時間はかからないと思います。2、3年じゃないでしょうか」と楽観的に語っています。

source: Astronomy&AstrophysicsCornell University via New Scientist

Maddie Stone-Gizmodo US[原文

(miho)