水に捕われてるわけじゃないんです。足を水に浸したまま飛ぶ虫の秘密

2016.03.07 09:00
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わざわざ水に足を浸しながら飛んでる姿がカワイイ!

この「Waterlily Beetle(日本語名:ハスハムシ)」がもし人間サイズだったら、池の水面をなんと時速500キロの速さで飛んでることになるんです。とは言っても、人間サイズだったら飛ぶことはできないでしょうけどね。

科学者のみなさんが、ハスハムシが他のどんな生物もしない、ユニークな飛び方をしていることに気づきました。

スタンフォード大学の科学者たちは、ハスハムシが食器の上を飛ぶのを観察しました。食器には水が入っていて、ハスハムシは足の先っぽを水に浸しながら水面をスーッと飛ぶのです。一見、足を水の中に引きずっているかのように見えますが、Waterlily Beetleは水を「支え」と「バネ」両方の役割として使って飛んでいたのです。この観察結果はJournal of Experimental Biologyに掲載されています。

このハスハムシの動きの鍵となるのは表面張力です。水分子同士は、水分子とその他の分子がくっつくより、粘り強くくっつくため、水分子の密着力は水の表面に薄い「皮膚」のようなものを作り出します。私たち人間は、日々の生活で表面張力に気づくことはほとんどありません。水をコップいっぱいに入れると、水面がコップのフチより高くなって盛り上がる時がありますよね。それが表面張力です。その小さな力が、虫の世界ではものすごく大きな力となります。たまにアリが水滴の中から出られずにもがいているのを見ることがありますが、これも表面張力のせいなのです。



Waterlily Beetleは自分の足の爪を水の中に入れて、自分の体を水面に引っ掛けるようにして羽ばたきます。この動きはバタバタと水の表面をバウンドしているだけのように見えますが、表面張力がなければWaterlily Beetleはポチャンと水に落ちてしまいます。羽根がついているので飛んで行くことはできるんですけどね。

それでも速く動かないと、水の中に浸かってしまいます。一度浸かると水から抜け出すのは簡単ではありません。水と空気の間にうまく自分自身を引っ掛けることで、水をロープのように利用しているんです。Waterlily Beetleが飛び立とうとする時、水が体を引き戻し、足が水に浸かり始めると水が押し戻す仕組みです。それにしてもこの虫の飛び方、やたらカワイイし、ある意味優雅にさえ見えます。


image by Andreas Rusch
source: Journal of Experimental BiologyArxiv

Esther Inglis-Arkell - Gizmodo US[原文
(リョウコ)

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