人を運ぶだけが航空会社じゃない。日食観賞のため、米航空会社がフライト時間を変更

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なんとも粋な計らい。

明日3月9日は、数年ぶりに日本で日食が観測できます。これに伴い、アメリカのアラスカ航空は、乗客に日食を楽しんでもらうためフライト時間を変更すると発表しました。対象はアラスカ航空870便で、本来の離陸時間から25分早め、現地時間の8日午後2時に出発します。

そもそも、今回の日食を観測できるのは、インドネシアや日本など一部のみ。その中にはハワイも含まれているのですが、明日のアラスカからホノルルの便に乗ることで、機上から日食を鑑賞できるというわけです。

実は時間だけではなく、ルートも変更になる今回のフライト。現在は、当日の機長を務めるHal Andersenさんを含めたスタッフのみなさんで、風や気候などを念入りに計算している最中とのこと。

Andersen機長は「コンピュータ上では、容易なプラン変更だと計算されています。しかし我々は念には念を入れ、安全はもとより、日食を逃さないための飛行計画を慎重に練っています」とも語っています。

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去年のちょうど同じ時期、2015年3月20日にも日食がありました。この時は日本からは観測できませんでしたが、実は今回のプラン、その直後から計画されていたのです。

アメリカ自然史博物館の天文学者、及び日食の専門家Jose Raoさんは、アラスカ航空870便が、今回の日食を「横切る」可能性にいち早く気づいていました。

Raoさんは、太陽が月に隠れ、空が一瞬真っ暗になるあの壮大な天文ショーの素晴らしさをアラスカ航空に熱弁。フライトの増便または時間変更を直談判したところ、会社側が快く了承。今回のプラン変更となりました。

以下の動画は、2015年3月20日の日食を飛行機の上から撮影した様子。こんなファンタジーのような光景が見られるなんて、羨ましい限りですよね。

「アラスカ航空の配慮に最大限の謝辞を贈りたい」と述べたのは、同じ便に搭乗予定である、アメリカ天文学会のMike Kentrianakisさん。「彼らは乗客を運ぶだけの航空会社ではない。我々に最高の経験を与えてくれるのだ」とも語っています。

さらには、このフライトに搭乗する乗客たちのために、古くからの「日食愛好家」のみなさんが、観測用の日食グラスを無償で貸し出し。みんないい人すぎて涙腺がジワッときちゃいます。

明日の日食、日本時間では午前9時29分頃から10時38分頃まで。可能な方は、ぜひこの天体ショーをお楽しみください。

image by YouTube

source: Alaska Airlines

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(渡邊徹則)