携帯電話の中継塔になりすます「スティングレイ」技術。警察捜査で使われるも表には出ず

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FBI連邦保安官局(USMS)は彼らが捜査で使っている盗聴方法「スティングレイ」や他の監視プログラムに関してとにかく必死になってひた隠しにしています。人々の位置情報などを携帯電話から集めるために、アメリカ中の連邦および地方警察機関がスティングレイを使っているのですが、「犯罪者たちにその仕組を知られたくない」という理由でとにかく何も語らないんです。

まともな理由に聞こえますが、政府組織が過剰なスパイ行為をするのは世の常です。プライバシーの侵害にたいしてちゃんとした対策がとられているのか、多くの人が懸念の声をあげています

そしてつい先日、全米市民的自由連合(American Civil Liberties Union)が公開した文書によると、やはり米司法省が保安官たちに対して監視技術を一般社会から隠すように促していたことが明らかになりました。ハリス社が製造するスティングレイは携帯電話の中継塔に扮して電話からデータを奪います。そして米政府はそのことを知られたくないというわけです。

司法手続きにおいてテクニカル・オペレーションの職員が証言をすることや、テクニカル・オペレーション・グループの技術を公開することは、法的な範囲の中で可能な限り最小限に留めなくてはいけないと捜査官たちが理解していることは絶対なる責務である。

(技術の)公開が起きてしまうと、将来における技術の効率性を大きく損ねることになり、またUSMSそして他の捜査機関によってこれから行われる、もしくは現在行われている監視オペレーションの安全性を危険にさらす可能性がある。

堅苦しい表現が並びますが、要するに保安官たちはスティングレイなどの盗聴・監視デバイスがどうやって使われてるかバラすんじゃねーよ。バラしたら皆困るんだからな。ということです。そういう調達が米司法省から出されたと。

さらには司法手続きに関わることになった政府職員はこういった技術を使ったことを隠すよう共謀する必要があると文書は言っています。

テクニカル・オペレーション・グループの技術が使用された件で法廷手続きに関わる捜査官は皆、それぞれのテクニカル・オペレーション・グループ検査官にコンタクトを取り指示を仰がなければいけない。

連邦保安官局は2009年から2014年にかけてハリス社から少なくとも1000万ドル分の高度な電話用スパイ・デバイスを購入しています。これらはテロリストグループや国家安全に関する捜査においてだけ使われる珍しい装置、というわけではありません。アメリカ中の連邦および地方警察機関で使用されています。緊急番号911に電話をかけて何も言わずに切る、といった小さな出来事に対しても使われているんです。

しかし監視行動に対してここまで執着的な秘密主義が横行するべきではありません。スティングレイの詳細が知られるくらいなら犯罪人を捕まえない方が良いとFBIが考えていることも分かっています。地方警察が持っていた携帯電話のトラッキング記録を、連邦保安官局がスティングレイ技術を隠すために押収したこともありました。

こういった一連の司法省や保安官局の動きは全てが「非常に不穏な、(監視プログラムに関して)隠そうとするパターンの一部だ」とACLUの弁護士であるNathan Wessler氏は米ギズモードに語っています。

Image by U.S. Patent and Trademark Office

Kate Knibbs - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)