SXSW語録「人間の運転手は肉ベースのアルゴリズムである」

SXSW語録「人間の運転手は肉ベースのアルゴリズムである」 1

「UberとLyftは言うなれば、ハンドル握ってる肉ベースのアルゴリズム…で動いてる自動運転車なんだよね」

と、スタンフォード大学REVS自動車研究所のReilly Brennan所長がSXSWカンファレンスで口を滑らせ、なんてこと言うんだ!(そのとおりかもしれないけど!)と会場が一瞬凍りつく一幕がありました。

肉ベースの講演者のBrennan所長がそのとき何を思ってそう口走ったのかはわかりませんが、

A) シリコンバレーが21世紀の労働者をどう見ているかが端的にわかる名言

B) SXSWの過去15分で最悪の失言

と言えるでしょう。

ツイートによると、発言は自動運転車の明るい未来を展望するセッションで飛び出た模様です。ロボットに追い出される、ハンドルの後ろの肉の塊。ちっとも明るい気がしないんですが、まあ、シリコンバレーのジャーゴンが無神経なのは今に始まったことじゃないですわなあ。

ロボット化の波で雇用が激変するのは今や誰でも知ってることですよね。それじゃなくても低賃金で今生活やっとな人たちが、その仕事さえ自動化の波で失ってしまったら、その先どうなっちゃうんだろう…。誰よりも自動運転車の未来にワクワクしてるGizではありますが、この先10年のこと思うと暗澹たる思いに沈みます。

Brennanさんの発言が失言かどうかはさておき、迫りくる厳しい現実を突きつけてくる言葉ですね。人間はみな交換可能なんですよ。みな肉ベースのアルゴリズムで、日々労働する中でシリコンバレーにデータを採取され、マシーンにフィードされている。

そしていずれはマシーンが肉ベースのアルゴリズム(人はそれを人間と呼ぶ)より賢く安くなって、人間はあっけなくマシーンにその座を奪われ、ほんでもって最後には電池になるぐらいしか脳がない。あ、それはマトリックスか。それを思って、この瞬間にもヨダレ垂らしてるシリコンバレーの投資家が絶対いるんですってば。

そういえば先日ネット食料宅配サービス「Instacart」がサンフランシスコ市内の運転手の最低賃金を1回$4.00から$1.50に、1品目ごとの宅配手数料を$0.50から$0.25に切り下げましたよね。そのうち肉を肉ベースのアルゴリズムに運んでもらわなくても済む日がくる。InstacartもUberもLyftも「その時」がくるまではこうして賃金切り下げに甘んじている。それだけのことなのかも。

以上の原文公開後、Reilly Brennan氏から以下のコメントをいただきました。

今日記事を読んだので説明を補足させてください。あのディスカッションでは自動化の影響について幅広く網羅しました。都市が変わるところと、変わらないところも。自動運転にはいいところも多々あると思うけど、よくないところもあります。それを全部紹介するのは大変なので、講演では一部のシナリオと影響に絞って話しました。

例の運転手発言で僕が本当に伝えたかったのは、研究者は今のライドシェアリング体験の一部を使って未来の自動運転のあり方を展望できる、という点です。10年、20年、30年、それ以上待たなくても、デザイナーは今から作ろうと思えば、自動運転ネットワークの一部を今からでもモデリングできる。もちろん将来の自動運転と完全に一致してるわけではないけれど。UberやLyftをそのプロトタイプと捉える視座を提案したかったんです。今のベストな人間ドライバーから学ぶべきことは山ほどあります。僕の頭の中では、ベストの中のベストのドライバーは最高に優れたアルゴリズムの持ち主なんです。このコメントは自由に掲載していただいて構いません。

Matt Novak - Gizmodo US[原文

(satomi)