発明家ニコラ・テスラが語った、21世紀についての予言

発明家ニコラ・テスラが語った、21世紀についての予言 1

天才発明家には21世紀が見えて…いた?

1930年代のニューヨーク、マンハッタン。ニューヨーク・タイムズやタイム誌などの記者たちは、ガヴァナークリントン・ホテルの20階にあるニコラ・テスラの部屋を定期的に訪れていました。年老いたテスラは、発明家としての若い頃の話や未来に何が待ち受けているかといった話題で、記者たちをもてなしていたのです。

テスラの予言については、以前にも記事にしています。前回は、優生学と犯罪者や精神疾患者たちへの強制的な不妊手術で2100年までに人類を浄化できるという、1935年2月9日号のLiberty誌に掲載された内容について注目しました。宗教や科学そして人間の本質についてテスラが持っていた考えについては改めて取り上げるとして、今回は彼が未来の世界について語った予言の数々をみてみましょう。

アメリカ合衆国環境保護庁の設立について

アメリカ合衆国環境保護庁(EPA)の創設は35年も先のことでしたが、テスラは100年以内に似たような官庁ができると予言していました。 

衛生学、体育は教育と政府の一部門として認識されるようになる。そして2035年に在職しているアメリカ合衆国大統領の内閣では、陸軍省よりも衛生学あるいは体育関連の省の長官のほうが遥かに重要だとみなされるだろう

私たちからすると水道設備のない生活は考えられないものだが、子どもや孫世代にとって現時点のニューヨーク市周辺のような海の環境汚染も考えられないものになっているだろう。給水設備はいまより一段と入念に管理されるようになり、消毒されていない水を飲む輩は変わり者ぐらいになる。

未来の教育、戦争や新聞とは

テスラが思い描いた世界は、戦争よりも新たな科学的発見のほうが人類にとっての優先事項となる世界でした。 

世界の文明化した国々の多くは収入の多くを戦争に使い、教育には最小限しか使わない。21世紀にこの序列は逆転するだろう。戦場で死ぬよりも、無知に対して戦うことのほうが名誉となるんだ。そして外交官たちの言い争いよりも、新たな科学的な発見のほうが重要になる。今日の新聞でさえ、科学的な発見や新たな哲学的な概念の創造をニュースとして取り上げている。21世紀の新聞は、犯罪や政治的な論争についての記事を裏面に掲載するだけで、第一面には新たな科学的な仮説を大々的に報じるようになるだろう。

健康と食事法について

晩年のテスラは、人間にとっての最適な食事に関する奇妙な理論を作り出していました。最期の日々に食べていたのは牛乳と蜂蜜ぐらいで、それがもっとも純粋な食事の在り方だと信じていたのです。1940年代初期に入るころには、彼の体重は大幅に落ち、生気がありませんでした。老年期の彼が貧乏だったという誤解は、この乏しい食事とやつれた外見が招いたのです。

コーヒーや紅茶、タバコなど刺激物より、汚染された水で亡くなったり病気になる人のほうが多い。私自身はすべての刺激物を避けているし、さらに肉もほとんど断っている。コーヒーや紅茶、タバコは1世紀以内には廃れると確信してる。だが、アルコールは刺激物としてではなく、人生の万能薬として嗜まれ続けるだろう。刺激物は強制的に廃れてしまうのではない。有害な成分で身体を毒すことが流行らなくなるだけだ。ベルナール・マクファデンは、牛乳、蜂蜜や小麦などの自然の恵みを材料に、おいしい食事を提供できると示してくれた。現在、彼のレストランで出されている料理が21世紀の洗練された宴会場で出される美食の土台となるだろう。

いまや慢性的な飢餓に瀕している人口過多な中国とインドを含む世界中に供給するのに充分な量の小麦そして小麦製品が生産されていることだろう。地球には作物が豊富にあるが、それが潰えてしまったとしても空気中の窒素を使えば土壌を再び肥やすことができる。私はそのためのプロセスを1900年に開発し、戦争のストレスに晒された14年後に、ドイツの化学者たちが完成させている。

ロボット

1890年代後半、テスラはロボット工学の研究を始めます。それは彼が遠隔操縦のボートの特許を取ったころで、1898年のマディソン・スクエア・ガーデンで行なわれた電気博覧会でその発明は人々を驚かせたのでした。 

機械化の時代に未だに完全に適応できてないから、我々は文明化の混乱に苦しんでいる。我々の問題の解決策は機械の破壊にあるのではなく、支配にあるんだ。

現在、人の手によって行われる無数の活動は、自動操作で行われるようになる。いまこの瞬間にも、アメリカの大学にある研究所で働く科学者たちが「思考する機械」と説明されるものを作ろうと試みている。私はこの状況を予期していたんだ。

私も「ロボット」を組み立てたことがある。いまのところ、ロボットは受け入れられてはいるが、その性能は充分に押し進められていない。21世紀には、かつての文明で奴隷がついていた労働はロボットに取って代わられるだろう。人類は大志を終えるように労働から解放される。1世紀以内にほぼ実現されるだろう。

安価なエネルギーと天然資源

組織的な森林再生と天然資源の科学的な管理によって、壊滅的な干ばつや森林火災、そして洪水は次の世紀を迎えるずっと前になくなる。水力の世界中での利用とその長距離伝送によって、全ての家庭に安価なエネルギーを供給でき、燃料を燃焼する必要性がなくなる。

世界への貢献が未だかつてないほど称賛されているテスラは先見の明のある発明家でした。完璧な食事に対するアイデアは奇妙かもしれませんが、21世紀のアメリカが重んじる多くの物事(綺麗な空気、害のない食事、「思考する機械」など)を理解していたのは明らかで、遠い未来をこうも的確に捉えた彼の思考力は、ただただ驚嘆に値します。

この記事は元々Smithsonian.comに掲載されたものです。

Matt Novak - Gizmodo US[原文

(たもり)