Amazon Echoの派生型「Dot」と「Tap」、明暗分かれる使い心地

Amazon Echoの派生型「Dot」と「Tap」、明暗分かれる使い心地 1

常時オンかどうかがキモみたい。

2014年末に発売されたAmazonの音声アシスタント内蔵スピーカー「Echo」は、日本では未発売のままですが、Amazon.comでのレビューの得点は平均「4.4」となかなか好評です。さらに最近ではスティーブ・ウォズニアックが「Next Big Thing」だと絶賛、なんて話もあり、その進化が気になるところです。

今年の3月に発売された、Echoの派生型となる「Echo Dot」と「Amazon Tap」について、米GizmodoのMario Aguilar記者がレビューしています。本当にNext Big Thingというほどのポテンシャルが感じられるのかどうか、以下どうぞ。

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Amazon Echoは、完ぺきじゃないにしろ、みんなが長いこと妄想してきたアイデアを形にしたものです。スタートレックのコンピュータとかJarvisとかHal(反乱起こさないでね)とか、生活の中でシームレスに使える音声アシスタントを多くの人が追い求めてきました。

たしかにEchoに何かを聞いて答えてくれると、クールだなと思います。ただEchoには大したことができないし、電源ケーブルつきの筒型のデザインは、理想的な音声アシスタントといえるほどシームレス感がありません。

それでも常時オンでいつでも話しかけられるという点は評価が高く、AmazonはEchoをさらに成長させようとしています。

Echoのふたつの弟分

というわけで、Echoの弟分として Echo Dot」(以下Dot)と「Amazon Tap」(以下Tap)が発売されました。が、前者はすごく良く、後者は全然だめです。まるで、音声アシスタントの最良な未来と最悪な未来を体現するかのようです。

Dotは90ドル(約1万円)、Echoがホッケーのパックみたいな形になったものですが、Echoみたいな巨大スピーカーは入ってません。引き続き電源ケーブルは必要ですが、その分常時オンでコマンドを待っています。単体でも、手持ちのスピーカーにつないでも使えます。

一方Tapは、UE Boomみたいな筒状ポータブルスピーカーにAlexaが内蔵されたものです。問題は、Tapにコマンドを伝えるにはボタンに触ってAlexaを立ち上げる必要があるということです。つまり常時オンじゃないのです。

Echoもそうですが、DotもTapも設定はとても簡単です。AmazonのAlexaアプリをダウンロードすると、デバイスをWi-Fiにつなぐためのガイドが出てきます。Tapはつねに家の中にあるとは限らないので、スマートフォンのデータ接続につなぐこともできますが、実際は面倒なのでやる人はほとんどいないと思われます。

すんなり使えるDot

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Dotはベッド横のテーブルに収まり、やけに立派なアラーム時計として日々のルーチンに入ってきました。夜寝るとき、「明日の6時45分に起こしてね」と言うと、アラームをセットして翌朝には心休まるメロディで起こしてくれます。シャワーを浴びた後に「Flash Briefing」(ニュース速報まとめ)というと、NPR Newsのヘッドラインを流し、天気情報も教えてくれます。

ちなみにこれはEchoでも可能なんですが、Echoがわりと大きくてランプの光をさえぎるくらいなのに対し、Dotはコンパクトなので、ベッド横でも邪魔になりません。

仕様上、DotはAUXケーブルかBluetoothで別のスピーカーシステムにつないで使えることになってるんですが、僕はDotに内蔵の小さなスピーカーを素で使う方がいいと思いました。音楽を聞きたいときは、他の手段があるので。

文鎮化したTap

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Dotがすんなり生活に入ってきたのに対し、Tapはただデスクに載って、充電ドックも使わないままでした。わざわざ起動して使う気がしなかったんです。あの小さなマイクボタンを押さなきゃいけないのは、使う気が失せるのに十分なめんどくささでした。Tapは文鎮化しました。

EchoからポータブルなTapへの進化は一見合理的らしく見えます。EchoはポータブルBluetoothスピーカーみたいに見えて、実際はポータブルじゃありませんでした。誰しも電源のある寝室とかキッチンに1日中いるわけじゃないので、真のアシスタントはポータブルである必要があります。

でも現実には、Tapはどこへでも持ち運べるようなものじゃありません。たしかに音声アシスタントを使いたいときはあっても、そのために水筒サイズのスピーカーを持ち歩くなんてナンセンスです。この機能はスマートフォンに内蔵される方がふさわしいと思いますが、残念ながらAmazonはスマートフォン作りが本当に苦手のようです。

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またTapをスピーカーとして見た場合、音楽を聞くのに十分ではありません。たしかにダメではないし、音量が小さいときはまあまあで、バランスが取れています。でも音量をちょっと上げるとディテールがぼやけてきて、たとえばTelevisionというバンドの渦巻くようなギターソロは、高音がキンキンして耳が切れそうでした。

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内蔵のAlexaも発展途上

DotやTapのデザインはともかく、Alexa自体にもEchoと同様にいろいろ限界があります。これまでEchoにはいろんなサービスがどんどん追加されてきました。ドミノ・ピザをオーダーしたり、Uberを呼んだり、Spotifyの音楽を聞いたりできますが、実際はちゃんとできません。

Googleで調べられるような質問、たとえば「バラク・オバマの身長は?」みたいなことは聞けるしUberも呼べますが、たとえば僕が行くディナーパーティが何時からかとかは知らないし(Googleカレンダーの特定の項目とつなげない限り)、友達の家の住所も把握してません

それに、自然言語認識能力がまだまだ不十分です。「Alexa、Spotifyでニルヴァーナを再生」と言えば、たしかにニルヴァーナのヒット曲を再生してくれますが、「ニルヴァーナの『Nevermind』をSpotifyで再生」というと固まってしまいます。アルバム名を知らないということなのか、「アーティスト名+アルバム名」みたいなコマンドがいけないのかわかりませんが。

それに限らず、何かコマンドを言うときは本当にちゃんと考えて言わないといけません。コマンドの途中で詰まったりすると、Alexaは混乱します。たとえば「Alexa、再生、えーと」なんていうと、Amazon Prime Musicのプレイリストからユーザーが好きそうな曲を適当にかけてきます。たしかにTame Impalaは好きですが、「Nevermind」が聞きたかったんですよ…。

要するにAlexaには、意味ある形で生活の一部になるような機能性や洗練性が欠けているんです。DotもTapも、元のEcho同様、楽しいオモチャといったところです。90ドル(約1万円)のDotは手頃だし、遊びとして買うのに十分な機能もあります。でもTapは何においてもあまり上手くないし、わざわざ使いたくならないです。

Amazonのスマートガジェットのコンセプトは、まだ実現されていない未来のように感じます。それはスマートなアイデアにもとづく未来ですが、現時点では、まだそこに肩入れできるほどじゃないようです。

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まとめ

  • Dotは楽しい、超豪華アラーム時計です。
  • TapはポータブルBluetoothスピーカーと音声アシスタントのハイブリッドになろうとして、どちらもちゃんとできていません
  • Alexaにくだらない質問をするのはすごく楽しいです。
  • でもAlexaを使うとイライラするし、何事も大してちゃんとできません。

Mario Aguilar-Gizmodo US[原文

(miho)