安いジェネリック医薬品が出たら困る…と闇協定にはしる製薬メーカー

安いジェネリック医薬品が出たら困る…と闇協定にはしる製薬メーカー 1

裏ではこんなことがまかり通っているのか…。

新薬が開発されても、最初は高くてなかなか手が出せなかったりします。でも、後特許の有効期限が切れてから、同等の有効成分で同じ効き目を期待できるのに、安く入手可能なジェネリック医薬品が登場して助かっていますよね。えっ、そんなの糞食らえですって?

高額の医療費を医薬品に注ぎ込まなければならない事態から解放されるのは、一般人にとって大歓迎でしょう。でも、当の新薬を開発し、そこから莫大な利益を得ている製薬メーカーにとって、ジェネリック医薬品ほど目障りなものはないというのが本音のようですよ。

このほど米連邦取引委員会(FTC)は、製薬メーカーの「Endo International」を「ジェネリック医薬品の開発を故意に遅らせるために不当に金銭を支払った」として提訴。Endo Internationalは、痛みを緩和する新薬の「Opana ER」および「Lidoderm」を開発。この2つの新薬が、まさに同社にとっては稼ぎ頭となり、ピーク時の2009年には年間売上高の64%を占める10億ドル(約1080億円)もの利益をもたらしたとされています。

Endo Internationalは、もしジェネリック医薬品が開発されるなら、競合する薬品の売上が鈍ることになるが、仮にジェネリック医薬品の開発を遅らせることができれば、同社にとっては大いに利益になることを知っていた。しかしながら、それは消費者にとって大きな負担でしかない。

FTCは、このように訴状で説明し、Endo Internationalの提訴へと踏み切っています。市場で独占的な売上を計上していたOpana ERとLidodermをめぐる特許は2010年に保護期限が切れ、需要の高い安価なジェネリック医薬品の早期の登場が期待されていました。ところが、開発を遅らせるために競合メーカーへ数億ドルを手渡し、その後も3年間はジェネリック医薬品の販売を見送るよう、闇協定が結ばれていたと指摘されていますね。

一般的にジェネリック医薬品は、オリジナルの薬品と比較して7割以上も安くなっており、アメリカ国内で年間2540億ドルもの医療費の節約につながっていると高評価。ただし、オリジナルの薬品で儲けてきた製薬メーカーにとっては、多大の損失を意味するのでしょう。実は今回のようにジェネリック医薬品の開発を遅らせる闇協定は、過去にも「Adderall」「Lipitor」「Wellbutrin」「Effexor」といった名だたる医薬品をめぐっても結ばれてきたと批判されているんだとか。なかには、こうした闇協定のせいで、特許が切れた後もジェネリック医薬品の登場までに9年を要した新薬もあるそうですよ〜。

医療費の削減は、政府にとっても、一般家庭にとっても大きな課題のはずが、莫大な利益を上げようと、業界ではいろいろ裏では良からぬことが進行していたりするのかもしれませんよね。なお、提訴されたEndo Internationalは、すべて法に則った商習慣の範囲内のことで、特に違法なことはしていないと徹底的に争う姿勢を見せています。

source: Wall Street Journal

Matt Novak - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)