Fitbitのおかげ。世界初、フィットネストラッカーが人命救助

Fitbitのおかげ。世界初、フィットネストラッカーが人命救助 1

Fitbit、試してみようかな...

フィットネストラッカー、特に必要ないなと思っていますか? 運動するけど、別に消費カロリーとか心拍数とか記録しても仕方ないよね、と思っている人も多いのではないでしょうか。でも良いことだってあるんです。アメリカでは、フィットネストラッカーを通じてスマホに保存されていたデータが救急救命の役に立つという事例が起きてニュースになっています。

ニュージャージー州で42才の男性が脳卒中で救急救命室に運ばれたレポートによると、彼はフィットネストラッカー「Fitbit Charge HR」をしていたそうです。それによって記録されていた心拍数のデータを元に、電気的除細動を行うべきだという判断を医者が下し、男性は無事に回復し自宅へと帰されたとのこと。フィットネストラッカーが医者の意思決定で利用された報告は、これが世界で初めてとなります。

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不整脈の初期症状を示すグラフ。(Image: AEM)

脳卒中から20分後、男性患者はニュージャージー州カムデンの病院に到着。病院では心房細動が確認されたものの、医療チームはそれが脳卒中によって引き起こされたものなのか慢性疾患なのか判断がつきませんでした。

心房細動が脳卒中によって引き起こされたものであれば、電気ショック(電気的除細動)によって心拍を正常調律に復帰させることができます。しかしこれが慢性疾患によるものであれば、電気的除細動をすべきでない状況もあるんです。

例えば、心臓の血栓が原因で心房細動を起こしている場合、電気ショックによって血栓が大動脈へと移動しこれが脳梗塞を引き起こすことがあるんですね。しかしそうでなかったとしても直ちに処置をしなければ脳梗塞につながることもあります。そのため原因を直ちに見極め、適切な処置を行う必要があるわけです。

今回のケースではそれが判断できずに困っていたところ、男性が着用していたFitbitの存在に医療チームが気がついたという流れのようです。医療チームはレポートの中で次のように述べています

患者の検査の際に、腕に付けるアクティビティトラッカー(Fitbit Charge HR)を着用していることが確認されました。それは患者のスマートフォン上のアプリケーションと同期されており、フィットネス・プログラムの一環として彼の心拍数が記録されていました。このアプリケーションを患者のスマートフォンを通じて閲覧したところ、彼の心拍数のベースラインが毎分70から80回であり、脳卒中が発生した大体の時間において突如、持続して毎分140から160回の幅へと上昇していたことが分かりました。心拍数はジルチアゼムを投与するまで上昇した状態が続きました。

Fitbitのデータのおかげで、心房細動は脳卒中によって引き起こされたものであり、電気的除細動を行って良いことが確認されたということです。

これほど重要なデータがパッとスマートフォンで確認できるというのは救急救命の現場では非常にありがたいのではないでしょうか。救急救命にフォーカスを当てたYouTubeチャンネルEmergencyCareForYouではこのニュースを受けて、フィットネストラッカーで心拍数データを簡単に確認する様子を17秒のビデオで紹介しています。

これまで人々の運動を記録する、もしくは運動を推奨するためをメインに使われてきたフィットネストラッカーですが、記録されたデータが医療の現場の判断に役立った報告は世界初。どこでデータが役に立つか分かりません。

もちろん、フィットネストラッカーはまだまだ本格的な医療機器として使うほどの精度には至っておらず、その意義に否定的な医師も多いようです。しかし今回の事例でウェアラブル・デバイスの今後にさらに期待が高まったのではないでしょうか。

Image: EmergencyCareForYou/YouTube,

source: Annals of Emergency Medicine via Medgadget

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)