世界初、HIV患者間の肝臓移植が成功

世界初、HIV患者間の肝臓移植が成功 1

今はもう、HIV=死ではないから。

米国ジョンズ・ホプキンス病院で、HIV陽性患者間の肝臓と腎臓の移植手術が成功しました。HIV患者間の肝臓移植は世界初、腎臓移植は米国初となります。これは移植臓器不足の問題を緩和するだけでなく、他の感染症患者の移植手術実現に向けた良い前例にもなっています。

今回移植された臓器は、今月亡くなったHIV陽性の女性のもので、肝臓と腎臓がそれぞれ別のHIV陽性患者に移植されました。少し前まで米国では、HIV陽性の人の臓器を移植に使うことは違法となっていて、この手術は法改正後初の手術だったのです。

「これは我々の病院やチーム、そしてHIVとともに末期の臓器疾患をわずらう患者にとって、信じられないほど喜ばしい日です」とプレスリリースの中で、医師の責任者であるDorry L. Segev氏は言っています。「そうした人たちにとって、これは生きるための新たなチャンスになりうるのです」

Segev氏は、HIV陽性患者が亡くなると、その遺体は移植臓器の提供源になりうるのだと言います。彼によると毎年500~600人のドナーがいるはずで、それによって数千人の命が救えるのです。米国で臓器移植を待つ人は、HIV患者に限らずつねに12万2000人ほどいて、毎年そのうち数千人が亡くなっているのです。

この手術が可能になったのは、2013年に米国でHOPE(HIV Organ Policy Equity)法が成立し、また最近、全米臓器配分ネットワークからの承認が下りたためです。この法律ができた背景には、抗レトロウイルス薬などによる治療法の進化で、HIV/エイズによる死亡率が大幅に低下したことがあります。また、医療チームがHIVウイルスに感染しないようにする手法や手順が確立されてきたことも、このような手術を後押ししています。

将来的には他の臓器、例えば肺やすい臓、腸などが移植される可能性もあります。またこれによって、C型肝炎など他の感染症患者の移植手術が進むかもしれません。実際今年中に、米国の2つの大学病院でC型肝炎患者の腎臓移植が行なわれる予定になっています。

image by Johns Hopkins Medicine

source: Johns Hopkins Medicine via NPRLA Times

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(miho)