3Dスキャンが胸を熱くさせるっ。ISISに破壊されたパルミラ遺跡の凱旋門、復元される

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歴史の一部が削除されたら、復元しないといけない。

3D技術、色んな分野で応用されてますね。髪の毛をプリントアウトしたり、脳のレプリカを作ったり、複数の出力アームを連動させることで巨大な物もプリントアウトできたり、美術品を3Dスキャンで”盗む”なんて事件も起きています(どうも真偽は怪しいようですが)。

そんな中で、また3D技術が新しい可能性を見せてくれました。

去年、ISISによってシリアパルミラ遺跡の建造物の数々が破壊されたのを覚えていますか? ベル神殿や凱旋門といった2,000年前の建造物は無残にも瓦礫の山となり、国や文化を越えて受け継がれてきた文化遺産が失われてしまいました。

3Dスキャンが胸を熱くさせるっ。ISISに破壊されたパルミラ遺跡の凱旋門、復元される 2

しかしデジタル考古学研究所(Institute of Digital Archaeology)のチームによって、破壊される前の3D写真データを元に実物の3分の2の大きさの凱旋門がこの度めでたく”復元”されたそうです。完成品は4月19日にロンドンのトラファルガー広場でお披露目され、9月にはニューヨークでも展示されるようです。

エジプト大理石を使って製作されたこちら、なんと製作費用は約1600万円ほど。デジタル考古学研究所のエグゼクティブ・ディレクターであるRoger Michelさんは製作の意義を次のように述べています。

私達はこの再構築という作業を、紛争地域の人々への連帯と友情の重要なしるしと考えています。(紛争地域の人々)も私達と共通の歴史を持ちます。まさに私達が保護・保全しようとしている遺跡や工芸品群が、その歴史を象徴しているのです。

人類の文化・歴史は全世界が協力して守らないといけない。それを思い出させてくれますね。胸が熱くなります。

デジタル考古学研究所のウェブサイトでは、製作過程のビデオも紹介しています。こちらも必見。

凱旋門を”復元”することを可能にしたのは、研究所のプロジェクトの一つであるMillion Image Database。北アフリカ、中東といった地域の、破壊の危険にさらされている遺跡のデータを保存することを目的としています。研究所は軽くて使いやすい3Dカメラをボランティアのカメラマンたちに配布しデータを収集しているそうです。今回の凱旋門のように不運にも実物が破壊されてしまったとしても、その存在はデータとして残されると...!!熱いプロジェクトじゃないですかっ。

もし歴史の記録から何かを削除したいと考える人々が世界にいたとしたら、削除された物を復元する必要がある。

と、BBCはMichelさんの言葉を報じています。

Image: Shutterstock

source: Institute of Digital Archaeology, the Verge, BBC

(塚本 紺)