Oculus Riftレビュー。こいつは本物だ

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VRなんて酔うだけだし、初期開発版も20分で飽きて、未来より昼飯が気になってた僕なので、この衝撃はホンモノです。

Oculus Rift製品版被ったら1時間ぶっ通しで遊んじゃって、ゴーグル外したらもう真っ暗で、会社に残ってるのは僕ひとりでした。ゲーム30種の中の「Lucky’s Tale」で赤いコイン20個探してただけなんですけどね。

カフェイン漬けで徹夜でゲームしたみたいな没入感で、時計見たら7時ちょっと過ぎ。なんか出かける用事あったっけ? ない。よし…。

目をこすってヘッドセットおろして、また遊んでしまいました。

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やっとOculusが言う「真の没入型VR」に辿り着いた感じですね。

最初Kickstarterでデビューした頃からOculusはナードに人気絶大で、ゲーマーとアーリーアダプターは実物をその目で見たわけでもないうちから買う買う言ってて、僕なんかは「何をそんなに騒いでいるんだろう」と遠巻きに眺めていました。話題になるのはいつも未来の話、可能性の話で、未だ見ぬ世界の話。だって仮想現実ですから。ポケットにネットがくるスマホほどの現実感はないわけですよ。

グーグルのダンボールVRサムスンGear VR、Oculus開発キットで「オオオーッ」と思ってもそれは一瞬で、既に目の前にあるものより「これから」のポテンシャルでみんな盛り上がってる感がありましたよね。

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Oculusのセンサー。かなり正確に頭の動きを追跡する。VRの要。

なんせVRはベストな端末でもコンテンツがイマイチでしたから。Oculusの先行モデル2つは装着感も画質もダメで、特に頭の動きに画面がついてこれなくてVR酔いするってなものでした。

だけど今度のRiftはさすが製品版です。万人が満足できる洗練度です。

仮想ワールド。設営はラクじゃない

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がんばっちゃいるんだけど、VR設定はそうそうシンプルとはいかない…

ダンボールから出てきたのは、こんなカッコいいブラックボックス。フライトケースみたいにぱかっと開けると、型抜きのスポンジにいろいろと収まってます。上にあるステッカーから設定用ウェブサイトを開いて、あとはステップ・バイ・ステップの手順に従うだけ。

…とまあ、アップルのようにシンプルを目指してはいるのだけど、やっぱりややこしいです。箱からいろんなものが出てくる出てくる、とめどなく出てきますよ。

・マトリックスの後頭部プラグみたいなグルグル巻きのコードがぶら下がったヘッドセット本体

・頭に被ったRiftの位置を追跡するセンサーとスタンド

・小型リモコン。装着中はこれでメニュー選び、ボリューム調整などやる。

・Xbox Oneゲーム用コントローラと、それをパソコンにワイヤレス接続するUSBアダプタ(モーショントラッキングできるOculus Touch専用コントローラはまだ未発売。会社によると年内発売予定だそうです)

IGNのアンボックス動画

あーあとかなり上位のゲームコンピューターも必要だしね。テスト用ユニットと一緒にOculus社から対応PCが届いたんですけど、それはNvidia Geforce GTX 970グラフィックカード(これだけで300ドル以上する!)が内蔵されている$950のAsusデスクトップでした。LEDが光って宇宙船みたいなやつ。こういうのじゃないとダメです。

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製品版にふさわしい出来栄え

梱包解いてケーブルをあちゃこちゃ差して、あっという間に1時間。そこからソフトウェア設営のダウンロードにさらに20分。まーでもそこまで行けばステップ・バイ・ステップの設営手順は簡単です。技術知識ゼロでもこなせます。新品MacBookみたいに電源差し込んで終わり…とはいきませんけど、準備してる間に期待が否が応でも高まる効果はありますね。

ヘッドセットは真っ黒なごっついスキー用ゴーグルみたいで、手に持つと、コーヒー豆1ポンド(半キロ弱)ぐらいの重み。有機EL(OLED)液晶の覗き窓は若干調整できます。耳のところにスピーカーも内蔵されてます。着け心地はいいです。

後頭部のケーブルでたまに引っ張られて、現実に引き戻されるぐらいかな。

ゲーム以外はイマイチ

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エンター・ザ・ボイド…。

立ってやらなきゃダメだ!ってOculusはよく言うんですけど、動きが激しいゲームとTouchモーションコントローラが出るまでは、回転椅子に座ったままで十分な感じでしたよ。プレイしてる間は、机と椅子の距離感がなくなりますが。

UIは「Oculus Home」というシンプルなUIです。これでライブラリのアプリを見たり、Oculusストアのアプリをダウンロードできます。 アプリは容量巨大なのが多いので、PCでじっと待ってるより、夜寝てる間にダウンロードした方が良さそう。

VRは頭を動かすと、同じものを別の角度から見れます。操作はXbox OneコントローラかOculusリモコンでやります。興味のあるものに頭を向けて、コントローラでクリック。リアルでも、興味のあるものに頭を向けますけど、あんな感じで自然に操作できます。かぶる前にコントローラの位置だけは確かめておきましょう。じゃないと、結構探すの大変だよ~。

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Riftでは長時間装着に耐えるデザインにこだわった…って、やっぱりヘンだわさ

アプリの品揃えを見ると、ゲーム以外の将来性も感じます。でもそっちはまだまだかな。たとえば「Oculus Video」は360の2Dコンテンツが視聴できる(親会社フェイスブックの360対応動画もサブカテゴリにある)んですけど、「lean back(ソファにくつろいで視聴)」っていうモードを選ぶと、ゲームやってるときよりヘッドセット被ってるのモロ意識しちゃって。なんだ、普通に部屋暗くして観た方がいいじゃんって思っちゃいました。ほかにも人体VR見学ツアーのアプリなんかもあったけど、そんなに面白くありません。今後に期待ですね。

ゲームは操作も簡単。没入できる

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Riftはさすがゲーム用端末として開発されただけあって、ゲームは最高です。いくつか試してみたんですが、ほかのアプリより断然操作もシンプルで楽しくプレイできました。まさかいい歳こいて「Lucky’s Tale」にハマるとは思ってもみなかったんですが、ぴょんぴょん跳ね回るキツネと一緒に、ポイント獲得して、敵に攻め込んで、難関クリアしてしまったよ。

会社でもゲームあんまりやったことない人の間で「Lucky’s Tale」は、すぐ遊べるねって好評でした。そうなんですよね、VRヘッドセットはゲームがシンプルに遊べるので、ユーザーの裾野が広そうです。360のゲーム(コールオブデューティでも1人称一人称シューティングゲームでも)はジョイスティックとアローを2つ同時に使いこなさなきゃならなくて大変だけど(ひとつはカメラ[自分の向き]、もうひとつは動き)、VRだとカメラビューはもう頭の向きで確定されるので、動きに集中できるんです。アーケードゲームの「Gunjack」も撃ちたい敵に頭を向けるだけなんで、ややこしいこと覚えなくても、簡単に楽しめるし満足度高いです。

逆にハードコアなゲーマーが喜びそうなのが「Eve: Valkyrie」。「Eve Online」からスピンオフした宇宙シミュレーションゲームです。僕はハードコアじゃないので宇宙船の操縦がむずかしくて。5分で酔って気持ち悪くなってしまいました。ミッションも難しくてストレスなんで、ヘッドセット外しちゃいましたよ。なんせ相手は宇宙ですからね。リアルに面白くつくるの大変なのはわかります。1週間やってだいぶ慣れましたけど、まだ「遊びたくて堪らない」っていうのはないです。

Oculusの課題

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きっといつかは「Eve: Valkyrie」のコレに慣れるんだろうとは思うけど。この「慣れるまでの期間」を減らすのがOculusの今一番の課題です。大衆向けの製品。ここまで来るのにOculusは4年かかってます。でもこのタイトルは(ほかのハードコアなゲームも)この先いくら技術を改良したところで大衆の支持は得られない予感がします。

ネックはほかにもいくつかあります。まず「screen-door effect(網戸効果)」。有機EL液晶が目ん玉に近すぎるため、ピクセルとピクセルの隙間が網戸みたいに見える効果のことですが、微かに感じる瞬間があります。本当に網戸通して見るみたいな感じで。あと、映像が流れる瞬間も。レンズのピントが合う領域がよく掴めなくて、小さく感じます。 まるでトンネル通して映像眺めてるような。視界がわざと遮断されたような。

最大のネックは値段ですね。Riftのパッケージが600ドルで、ゲーミングPCが950ドルだから、合計1550ドル(約17万5000円)。両方買う人は少ないだろうから、結局ゲーミングPCを既に持ってるゲーマーのニッチ製品で終わる確率大です。もしこの予算出せる人は、来週出るHTC Vive(Riftと似た仕様)を見てからにした方がいいかも。

でもまあ、Oculusの完成度はすごいです。今までピンとこなかった人も楽しめる要素満載です。没入感、映像のクオリティー、頭部トラッキングはほぼ完璧で、本当に「今もっていたい端末」です。「これから」じゃなくて。

VRの未来。自分の懐にはちょっとまだ手が届かないけど、本気で欲しいと思いました。

Mario Aguilar - Gizmodo US[原文

(satomi)