感情を持った機械は滅ぼすべきか? ロボット反乱短編「RISE」

Riseトップ

人類とロボットの未来は明るいとは限らない? 

SF短編「RISE」の舞台は人造人間/ロボットの誕生から30年近くが経過した近未来。人間と同レベルの精神を手に入れたロボットたちは人類によって排除されつつあります。

本作で描かれるのは、ロボットたちが生存をかけた反撃を開始する、その日の物語です。

注目すべきは何といっても映像の密度

未来の歴史を説明するニュース映像虐げられるロボットたちの様子など、多種多様なシーンがこれでもかとつめこまれていて飽きません。

CG技術もハリウッド大作レベルで、特にロボットの顔の皮膚と機械部分のつなぎ目の自然さなど、細かい部分まで丁寧に作られています。

サイボーグ、アンドロイド、サイバーパンク好きにはたまらない世界観です。

RISEさんの投稿 2014年8月17日
オイランドロイド(?)がいるのもサイバーパンク!

しかし、見て楽しい/かっこいいだけではないのが「RISE」の魅力であり、SFというジャンルの魅力

AIの話題が絶えない現代において、私たちはどのようにロボットとの未来を作っていくのでしょうか?

本作のように、人間を模した、人間と同じ感情を持つロボットを作り、道具として扱い続ければいずれ衝突する恐れがあります。価値基準や生存領域が重なっている場合、奪い合うか分け合うことになるでしょう。

一方で、高度な知性も価値観が異なれば人間らしく扱わなくても大丈夫かもしれません。例えば「攻殻機動隊」のタチコマは、情報を集めて経験値を上げることに価値を置いているため、労働を苦にしていないようにも見えます。しかし、人類とかけ離れた理解不能な精神とは、何が争いのきっかけになるのかが予測できません

戦争SF大作エンダーのゲームの筆者オースン・スコット・カードは著作の中で「他者の度合い」を四段階に分類する北欧語を以下のように紹介しています。

第一段階「ウトラニング」:同じ世界の別の都市や国から来た異邦人

第二段階「フラムリング」:人間と認識できるものの、別の世界から来たよそ者

第三段階「ラマン」:人間的に認識できるものの、べつの生物種であるよそ者

第四段階「バレルセ」完全な異生物。すべての動物が含まれ、会話は不可能。

「エンダーのゲーム」の人類は、この基準で相手の命を尊重するかどうかを判断していますが、現実の私たちは他者の扱いを決めるための明確な基準をまだ持っていません。

「RISE」は人造人間に感情移入するように作られており、自分と異なる知性体を尊重するべきかを考えるきっかけを提供してくれます。

現在は力を持つ人間が他の生物への主導権を握っていますが、本作のように「bionic=超人的」な存在が一斉蜂起してからでは遅いでしょう。

皆さんは、人類とロボットの未来はどうなると想像しますか?

source: vimeo, facebook, Wikipedia

勝山ケイ素