トラップ・ジョー・スパイダーのアゴは時速32kmで閉じるぜ

トラップ・ジョー・スパイダーのアゴは時速32kmで閉じるぜ 1

毎秒4万コマ撮影じゃないと捉えられません。

まぁあれですよ、名前は「罠アゴ」なわけですよ。当然アゴがヤバイわけです。数mmしかない体長なので、「小型なんとかかんとかグモ」とか呼ばれてそうなものが、「トラップ・ジョー・スパイダー」なんてスパイ映画の刺客みたいな名前がついてるわけです。

獲物に静かに近づき、高速で閉じるアゴで仕留めるそんなトラップ・ジョー・スパイダー。スミソニアン国立自然史博物館は毎秒4万コマで捉える高性能カメラを使ってそのメカニズムを撮影することに成功しました。詳細はCurrent Biologyで発表されています。

この研究によって我々がいかにクモについて理解しておらず、これから発見しないといけないことがいかにたくさん存在するかが分かりました。これらのクモによる高速の捕食攻撃はこれまでは知られていないものでした。これまで私が研究してきた多くの種もまた科学コミュニティで知られていないものでした。

と語るのは、研究の共著者のHannah Wood氏。クモってまだまだ知られていないことがたくさんあるんですね。こちらがそのアゴがパチンと閉じる瞬間の映像です。

あー...まぁ速いね、確かに。

って思いました? これ、スロー再生されたもので、実際はこの150倍速いそうですよ。想像してみて下さい。無理ですね!

似たような構造はアリの一部で発見されていたそうですが、クモ類で発見されたのは初めてです。DNA分析をした結果、Mecysmaucheniid科のクモで高速のアゴ攻撃を進化させたことがこれまで4回、それぞれ独立した形であったことがわかりました。違うグループの生き物が似たような身体的特徴を獲得する収斂進化の好例であると研究チームは述べています。

トラップ・ジョー・スパイダーさんはニュージーランドと南アメリカの南部に生息しており、森の中で獲物を探して一生を過ごすそうです。Mecysmaucheniid科のクモを合計14種、研究チームは集め毎秒4万フレームで撮影して調査したところ、種類によってアゴが閉じるスピードは大きく違ったそうです。一番速いものは時速32キロのスピードに達し、一番遅いアゴにくらべて100倍も速かったようです。

現在は、観測されたクモの筋肉からこれほどの高速の運動を生み出すことは難しいと考えられており、何か特別な構造が存在しているのではないかと追加の研究が行なわれているとのこと。

昆虫からこれだけのパワーが作られるって驚きですよね。最近は自然界の動物の動きからヒントを得てロボットを作られることも多いですが、この発見が将来のパワフルロボットの開発へとつながるかもしれませんね。

image by Hannah Wood/Smithsonian , Animated gif by Andrew Liszewski

source: Current Biology

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)