映像で触感が伝わる? エルゴノミクスが示す未来のVRとは

Mugendai

映像で触感が伝わる? エルゴノミクスが示す未来のVRとは 1

人間にとっての使いやすさという観点で、ハードウェアやソフトウェアの設計やデザインについて研究する分野。それが「エルゴノミクス」(人間工学)です。

身近なところでは、オフィスチェアやパソコンのキーボード・マウスなどで、エルゴノミクスデザインを採用しているものがありますが、最近ではバーチャルリアリティ(VR)などにエルゴノミクスを活かそうという研究が進められています。

無限大(mugendai)では、「ヒト×バーチャル」の関係性がどんな未来を導き出すのかというテーマで、早稲田大学基幹理工学部表現工学科の河合隆史教授にインタビューしています。

映画やゲームの分野で活かされているエルゴノミクス

河合教授は「ヒト」と「バーチャル」の関係をエルゴノミクスの観点から研究されています。これまでに、3D映像の奥行き情報(両眼視差)を分析することで、映像を見ているヒトにとって心地よい3D映像とは何かを模索。

この研究は、実際に3D映画「アバター」や「STAND BY ME ドラえもん」などに活かされているそうです。

また、ゲームの分野にも応用されています。映像を見ることで「感動」や「癒やし」といった心理的効果を与えるゲームが、ニンテンドーDS用ソフト「99のなみだ」。ユーザーの「泣きのツボ」を分析し「ストレスレベル」を算出。そして、最適なショートストーリーを提供するというものです。

もはや、エルゴノミクスは人間の感情も左右するレベルになっているのですね。

バーチャル映像で触感も再現?

河合教授の研究は、人間の触感にまで及びます。シースルー型の両眼ヘッドマウントディスプレイに映る映像に、手のひらを近づけると起こるわずかな触錯覚を応用したもの。炎の映像に手を近づけると暖かさを、氷の映像に手を近づけると冷たさを感じるとのこと。

河合教授は、これらの研究はすべて実用化を念頭において行われているとのこと。将来的にはクリエイティブな分野に貢献したいと語ります。

すべての感覚情報をバーチャルで実現するのはまだ難しいということですが、すでに触覚と嗅覚は一定の成果が得られているとのこと。この研究が進み実用化されたとき、我々の生活はどのように変わるのでしょうか。

食べ物の映像を見ただけで味を感じたり、走っている人の視点の映像を見るだけで疲労を覚えたり。バーチャルとリアルの境界線が、どこにあるのかわからなくなるかもしれませんね。

なお、無限大(mugendai)では河合教授へのインタビューに加え、「映像を見るだけで触感が伝わるシステム」を体験しています。いったい、「ヒト×バーチャル」はどんな進化をしていくのでしょうか。河合教授が思い描くバーチャルな世界について興味のある方は、インタビューをぜひお読みください。

source: 無限大(mugendai)

(三浦一紀)