ポチッと押すだけ。なぜAmazonアプリストアに人は戻ってくるのか?

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今週Amazonでは、自社が運営する「Amazonアプリストア」の責任者を世界から日本に集めて、日本のアプリビジネスに対する理解を深める社内会議「アプリストア・グローバル・サミット」が都内で密かに開催されています。

スマホの課金ビジネスが他国よりも進む日本の市場やアプリユーザーの現状を把握しつつ、日本のイノベーションを各国に持ち帰り事業に役立ててもらうことが開催の狙いだそうです。サミットといっても一般公開されるイベントではありませんので、どんなことが話し合われたのか想像することしか出来ないのが何とも残念。

Amazonアプリストアは、今年3月で立ち上げから5周年を迎えました。

日本では2012年に始まったアプリストアはKindle Fireタブレット、Fire TVといったAmazonのハードウェア、そしてAndroidのスマホに対応したゲームやアプリ約50万個以上を提供しています。もちろん購入はAmazonアカウントだけで完了する、お馴染みのシステム。そうです。オレンジのボタンをポチるだけ。簡単ですよね。

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それだけでなく、他にもアプリストアでAmazonコインを使えばアプリ購入やアプリ内課金ができたり、アプリの値段が最大10%ディスカウントできたりと、気が利いています。

ギズモードでは、本社から来日したアプリストア責任者の方にアプリストアの現状と、日本でなぜサミットを開催するか、そして去年始まったばかりの新サービスについてお話を聞いてきました。

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Amazonアプリストア ディレクターのアーロン・ルベンソン

アプリストア・ディレクターのアーロン・ルベンソン(Aaron Rubenson)さんは、世界240カ国に拡大するアプリストアを束ねる責任者。「本日限定無料アプリ」プログラムや「Amazonコイン」の立ち上げを指揮して、最近では新しい無料アプリとして話題の「Amazon Underground」を仕掛けるなど、アプリストア事業全般を担う人物です。

なぜAmazonユーザーが繰り返しアプリストアを利用するのでしょうか? それは、アプリストアが重要と考える「カスタマーエクスペリエンス」(顧客体験)にあるとルベンソンさんは言います。

Amazonでは、アプリやゲーム利用体験を常に強化するため、「高品質なゲーム/アプリの品揃えを強め」、「安全性や動作の確認そしてAmazonのコンプライアンスポリシーに準拠しているかをテストすること」、そして「お客様への価値提供を行うために、世界中の開発者と協力してディスカウントを提供したり、Amazonコインで最大10%もディスカウントを提供すること」を行うことを大事にしていますルベンソンさんは説明します。

特に注目しているのはAmazonコインの存在。毎月アプリやゲームに課金するユーザーの間では人気の商品になっているそう。ちなみに、Amazonコインは2015年日本のAmazonで最も購入されたアイテムだったとか。

アプリストアのユニークな事例として日本企業と協力して実現したゲームをいくつか教えてくれました。例えば、Amazonはコロプラと協力して「白猫プロジェクト」の音楽CDをAmazon独占で販売したり、「ファイナルファンタジーXIII」がFire TV向けにリリースされた際には、期間限定セールに加えて、Fire TV専用ゲームコントローラをディスカウント価格でPrime Nowを使って一時間でユーザーに届けるセールを開催するといった、アプリストアに留まらない豊富な商品カタログと連携したグッズや周辺機器の販売も可能にしてくれます。Amazonのアプリストアでは、ユーザーと開発者をアプリやゲーム以外の商品やツールで繋げるというメリットを訴求することで、ユーザーに喜ばれるサービスを目指しているそうです。

また日本のアプリ開発者やゲーム開発会社に関して、なぜAmazonアプリストアに開発者が集まってくるのか?その理由もルベンソンさんは説明してくれました。それはアプリストアが「Androidベースであること」でアプリのリリースが簡単に行える、そして「Amazonのサイトや仕組みに慣れていて安心して購入してくれるユーザーが集まるので、客単価が高いこと」が理由だそうです。

開発者たちがAmazonを重要視するもう一つの理由として、日本国外でアプリを展開する上でAmazonとのパートナーシップを重要と考えているとのことです。Amazonは各国で蓄積した経験やリソースを提供してくれることで、日本の開発者は海外展開の知見が増えビジネス戦略に反映することができることがメリットなんだそうです。

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アプリストア事業部 統括本部長 ディレクター 長尾ジョナサン

アマゾンジャパンでアプリストアを担当するディレクターの長尾ジョナサンさんは、日本の開発者が世界の中でも洗練され、ユーザーを理解する上での深さや細やかさは類を見ないレベルで、デームデザインやユーザー体験の向上について開発者と議論することは素晴らしい時間だと称賛していました。

先進さと洗練さが際立つ日本の開発者、そして日本のアプリ市場が生み出す世界レベルのイノベーションから学び事業に反映する目的でAmazonのアプリストア責任者たちが集まった「グローバル・サミット」。プログラムの一つでは、いくつかのパートナー開発会社がサミットで日本のアプリ市場について話をするなど、日本の開発者とも積極的な情報交換が行われた様子でした。

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関連記事はこちら:アマゾン、アイテム課金もすべて無料になるアプリストア「Amazon Underground」をローンチ

もうひとつ気になる話があったので、突っ込んで聞いてみました。それは、Amazonが去年10月に開始した新しいプログラム「Amazon Underground」。現在は米国とヨーロッパで提供しているこのプログラムは、ユーザーと開発者にとって新しいアプリ利用の方法として、密かに注目を集めています。

Amazon Undergroundは何かと簡単に説明しますと、合計で2万ドル以上になるアプリダウンロードやアイテム課金を全て無料でユーザーに提供するという、画期的なモデルなんです。AmazonはUndergroundに参加するアプリ開発者には、ユーザーのアプリ利用時間に応じて対価を支払います。無料ですよー。これは嬉しい。日本で早く始まってくれ!

ルベンソンさんによると、現在Amazon Undergroundのモデルを各国で深めていく段階にあるそうです。

気になる日本でのローンチに関してですが、現段階はこのプログラムの実績を国ごとで分析した上で、次の展開を考える必要があるので、日本ローンチなどまだ次の計画を話せる段階にはないとのことでした。

ユーザーの反応は極めて良好で、通常は有料のアプリやゲームを無料で利用できる点を喜んでいるそうです。

開発者もまたこのモデルが気に入っているそうで、特に利用時間ベースで大多数から収益を挙げられることが斬新とのこと。有料アプリやゲーム内課金を気にする必要が無くなりますからね、これはメリット大きい。

このモデルが有料アプリストアを置き換えるのでしょうか? ルベンソンさんは、時期尚早と前置きしつつ、現行のアプリストアが提供する有料と無料のモデルと、Undergroundの完全無料モデルは共存できることが分かったと言います。

「Angry Birds」を開発するRovioは、Amazon Undergroundで売上が3倍に増えたと言っています。凄まじい推進力。日本の開発者の皆さんも、Amazon Undergroundの上陸に期待してみるのはいかがでしょうか?

source: Amazonアプリストア

(Yohei Kogami)