99%の人が無縁でも、高級物件を増やしたほうがいい理由

99%の人が無縁でも、高級物件を増やしたほうがいい理由 1

たくさんの人に買ってほしいわけではない…?

いま米国では、大都市圏ほど住宅不足の問題に悩まされています。新しいタワーマンションとか、リッチ層に向けた豪邸は続々と売りに出されているものの、とても一般市民には手の届かない価格で取引きされているものばかり。なぜ本当に家を必要とするひとのために、もっとお手頃な価格帯のマンションが建たないの? そんな疑問を抱く人は少なくありません。

米国全体では、賃貸に出されている家の68%が、築30年を超える物件で占められている。築10年以内の新古物件のアパートに賃貸で住んでいるのは、家を借りている米国民全体の1割にも満たない。

なかなかいい家が見つからない都心部に、新築で出てくる家は高くて住めないものばかり。それは現実問題であることが、こうした調査結果の数字からも裏づけられている形ですね。ただし、逆に考えれば、30年以上前に一般人には手が出なかったゴージャスな住まいが、いまではゴロゴロと手軽な賃貸物件として市場に供給されていっていることを意味してもいるようです。

2001年に米国内で新車を購入した人のうち、全体の67%は上位2ランクの高収入世帯に位置づけられる分類に入っていた。ここ最近の傾向として、新車を購入するのは、より高い年齢層で、高収入世帯に限られるようになってきている。

やや古いデータにはなりますが、ここで注目したいのは、米国内で車をめぐっても、似たような状況が生じていることが示されている点です。日本とは異なり、わりと低価格な軽自動車を新車で購入するよりは、米国では中古車の購入が一般的とされています。高級新車は、なかなか一般庶民には手が出せません。でも、まずは高収入なリッチ層が乗り回した車が、しばらくすると手頃な中古車として市場へ出回り、それゆえに数年前は高くて乗れなかった高級車に、どんどん中流階級でも乗れるようになるわけです。つまりは、最初は縁のない高級新車であっても、まずは富裕層が購入すればするほど、いずれは手頃な価格で乗れる車として流通するわけでして…。

この原理と同じで、とにかく家やマンションも、たとえ億ションとよばれるトンでもない価格帯であっても、建てては売り、建てては売りのサイクルで出してさえおけば、いずれは一般庶民のための住宅として優良中古物件で提供される時代がやってくるため、まずは超高級な物件を都心部で増やしておけばよい。いまそういう考え方で落ち着き始めてもいるそうです。だから、米国民の99%には無縁の高級マンションが、いまだに売れに売れまくるバブルのような状況が続いても、そんなに悲観的にならなくていいとする意見も少なくありません。

自動車にしても住宅にしても、日本人は新車や新築を好む傾向が強いため、これがそのまま当てはまるわけではありません。でも、家に関しては、これから大都市圏ほど似たような状況が加速していきそうですよね。

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)