病院のタブー? 医療ミスでの死亡例は信じられないほど多いとの指摘

病院のタブー? 医療ミスでの死亡例は信じられないほど多いとの指摘 1

日本の病院は大丈夫なのでしょうか?

人の死亡原因のトップはがん、それに心臓病や糖尿病などなど…。そう信じてきましたけど、実は大きな声では語られない不都合な真実が指摘されていますよ! 本当は医療ミスで死に至ってしまっている例が、報告されていないだけで非常に多いようなのです。

このほどJohns Hopkins University School of Medicineの研究者らによる調査で、後に医学ジャーナルのBritish Medical Journal(BMJ)に掲載された論文によると、全米で発生したと考えられる病院内での医療ミスが絡む死亡例は、2013年中に少なく見積もっても25万件にのぼったそうです。

これは、がんまたは心臓病で亡くなった人数に次いで、全米では第3位の死亡原因にあたるんだとか。National Center for Health Statisticsが公表している、脳疾患、不慮の事故、糖尿病、インフルエンザ、肺炎が原因の年間死亡者数のいずれをも上回っていると発表されていますね。

人間は細菌や心肺機能の異変などの理由だけで命を落とすのではない。(医師と患者の)コミュニケーションのまずさ、一貫性に欠けた治療方針、診断上のミス、誤った薬の服用などが原因で亡くなる人は少なくない。

同論文を発表したJohns Hopkins University School of MedicineのMartin Makary教授は、このようにコメントしています。米疾病対策センター(CDC)では、米国民の死亡理由をInternational Classification of Disease(ICD)コードに分類された病名に基づいて記録し、統計化を進めています。

この死亡理由コードには「医療ミス」の項目はありません。そのため、実際になんらかの医療上のミスで死亡に至ったとしても、記録としては残らないというケースがほとんどですし、病院側が積極的に失敗事例を公表するとも考えられないでしょう。

しかしながら、まったくミスを犯さずに診断や治療を施せる医師など存在しません。そこで、Makary教授の率いる研究チームは、医療ミスの発生率に注目。そこから概算して、今回の数字の発表にいたったと説明していますよ。

なお、あくまでも病院内で死亡した患者に対する概算数のため、すでに病院から出され、介護施設などへ回された後に死亡した人の事例もふくめるならば、診断や治療の誤りが死を招いたという実数はもっと多いのではないかとも分析されています。

医療の質が低くミスの発生しやすいアフリカを例にあげるならば、エイズ(HIV)とマラリアで死亡する人数を合計したよりも多くの患者が、医療ミスや合併症を原因に命を落としている可能性が高い。

このように語ったMakary教授は、米国を始めとする先進国における実態はまだマシなほうで、医療ミスは世界的な問題として依然存在していると警鐘を鳴らしています。たとえ医師による誤診や不適切な処置があったとしても、それが原因で即死亡に至る患者は多くはありません。

でも、結果として、まずい医療が寿命を縮めてしまう事例は後を絶たず、もっとオープンに失敗事例を共有しながら、この問題の改善を図っていく必要性が訴えられていますよ。現実的には医療ミスにより医師が法的に訴えられる可能性があることを考えれば、これは非常に難しいことのように思えますけどね。

source: BMJ via Medical Express

Jamie Condliffe - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)