折り紙を応用したロボット、誤飲した電池を体から取り出す

折り紙の実用性、ここに極まる。

折り紙ってかわいいとか楽しいだけじゃなく、箱とかコップとか、わりと実用的なものも作れます。が、マサチューセッツ工科大学(MIT)とシェフィールド大学、東京工業大学などが共同で作った折り紙は、用途はニッチだけど完成すれば人の負担を大きく減らしてくれるものです。

それは折り紙というよりは折り紙を応用した「オリガミロボット」で、ボタン電池などの異物を胃の中から取り出せるんです。この研究内容は、先週のInternational Conference on Robotics and Automationで発表されました。

なんでボタン電池かというと、ボタン電池を子どもが間違って飲み込んでしまう事故が意外と多く、米国では年間3,500件もあるそうなんです。飲み込んでも多くは普通に排泄されてしまうのですが、中には電池が体の中で放電して、胃に穴を空けてしまうこともあるらしいんです。だから誤飲して吐き出せない場合、体から取り出すために手術が必要になっています。

じゃあ、折り紙がボタン電池を体から取り出すって、どうやるんでしょうか? オリガミロボットは氷のカプセルに入っていて、カプセルの中では小さく折りたたまれた状態です。が、飲み込まれて氷が溶けると、アコーディオンのような形に広がります

この形によって、研究チームが「Stick-slip」と呼ぶ自律的な動きが可能になります。液体の多い胃の中で動けるように、ヒレのような部分も作られています。永久磁石を搭載していて、体の外から電磁石などで動きを操作できます。オリガミロボットが胃の模型の中で電池を捉えるところは、こんな感じです。

MITの研究チームでは、オリガミロボットの前バージョンを1年前に発表していましたが、その見た目は今回のものとだいぶ違います。今回のオリガミロボットは飲み込んで使うことを目的としたので、体に入れても問題ない素材を使う必要がありました。そこで試行錯誤の結果、Biolefinという熱で縮む生分解素材と、ソーセージに使われる豚の腸由来の素材が選ばれました。豚の腸素材2枚の折り線になる部分に切り込みを入れておき、Biolefinをサンドイッチして熱を加えると、意図した形に折り曲がるようになっています。

このオリガミロボットでは、ボタン電池などの異物を取り除くだけでなく、内臓の傷をふさいだりするのにも使えるそうです。またセンサを搭載したり、外部の磁石での操作なしでも動けるようにしたりといったバージョンアップも検討されています。折り紙の可能性は、まだまだ広がっていきそうです。

source: MIT News

Andrew Liszewski - Gizmodo US[原文

(miho)