検索ワードの記録から膵臓ガンの診断ができるようになるかもしれない

検索ワードの記録から膵臓ガンの診断ができるようになるかもしれない 1

自分より自分のことを教えてくれる検索ワード。

検索画面の横に出てくる広告が自分にピッタリで驚くことってありますよね。Amazonを眺めていたら全く知らなかったようなプロダクトが表示されて「これ、ほしい」と気付かされることありますよね。「自分が何を検索しているか、ウェブで何をみているか」が自分も知らない自分の情報を教えてくれます。

それを上手く利用したのがMicrosoftの研究所によるこちらの研究。なんと、検索ワードのログから、ユーザーが膵臓ガンにかかっているかどうかを当てられるという論文になっています。科学誌「Journal of Oncology Practice」に掲載されました。

まず検索ワードから「最近、膵臓ガンと診断された人物である可能性が高い検索ユーザー」を特定します。どのような検索ワードをもって「膵臓ガンと最近診断された可能性が高い」と判断したのかは論文では公開されていませんが、「膵臓ガン」と「治療費」や「生存率」「新薬」など組み合わさって検索されていることで「このユーザーはおそらく最近膵臓ガンだと診断されたんだな」と推測できるのは理解できますね。

膵臓ガンの患者である(可能性が高い)と特定したユーザーを集めると、次に彼らの過去何カ月にも渡る検索ワードのログを分析したそうです。ユーザーたちはまだ膵臓ガンとわかっていなかったときから自分の体調不良について検索をしていたことになるので、そこには膵臓ガンの症状がたくさん使われています。

この「診断される前の検索ワードログ」を使って膵臓ガンであるかどうかを判断できないか試してみたんですね。そうすると5〜15%のケースについては正しく診断をすることができたそうです。まだまだ低い数字ですが、感心なのは「膵臓ガンを患っていないユーザー」を「このユーザーは膵臓ガンを患っている」と誤判定したのは10万から1万回に一度の割合だったこと。

これってつまり、膵臓ガン患者の全員を見抜けるわけではないけれど、「この人は膵臓ガンを患っている」と判断した場合はほぼ確実に当っているということ。

医者に診てもらう前に「(こういうワードを検索しているということは)あなたは膵臓ガンかもしれませんよ」と検索エンジンが判断することができるようになるかもしれません。

そして研究者たちはこれをMicrosoftのボイス・アシスタント「Cortana」に組み込むことで、より先進的な医療サービスにつながるかもしれないと考えているようです。

Cortanaに「過去の検索ワードから、膵臓ガンの可能性があることがわかりました。検診を受けて下さい」と教えてもらえるようになるかもしれません。ガンは早期発見がとても重要です。多くの人の命を救うテクノロジーになるのではないでしょうか。

もしかしたら毎朝、自分の体調をボイス・アシスタントに口頭で報告するのが未来の常識になるのかもしれません。

image by GongTo / Shutterstock.com

source: Journal of Oncology Practice via The Next Web

(塚本 紺)