一部の抗うつ剤、子どもの自殺願望を高めてしまうとの調査結果

一部の抗うつ剤、子どもの自殺願望を高めてしまうとの調査結果 1

まだまだ調査が必要な面もありますが。

うつ状態にある患者に処方される抗うつ剤。めざましい効果が期待できるものもありますが、成人には有効でも子どもには逆効果となる抗うつ剤が少なくないことを示す、新たな研究結果が発表されました。

9歳から18歳までの5,260人の子どもたちを対象に、14種類の抗うつ剤をテストした調査結果によると、薬効成分を含まない偽薬よりも治療効果が認められたのは、わずかに1種類の抗うつ剤、プロザック(Prozac)の商品名で知られるフルオキセチンのみ。イフェクサー(Effexor)などで知られるベンラファキシンをはじめ、ほかの13種類の抗うつ剤の多くは、服用後に自殺を図るリスクを高めるとの結果が出ています。論文の共著者である、中国の重慶医科大学のPeng Xie教授は以下のようにコメントしています。

うつ病の主要な治療方針に採用されている、抗うつ剤を処方するメリットとリスクのバランスを考慮するならば、おそらくフルオキセチンは別として、小さな子どもやティーンエイジャーには処方する明白なメリットがないように思われる。

調査は公正?

ただし、同じく研究発表に携わったオックスフォード大学のAndrea Cipriani博士は、この結果の正確性についてはさらなる研究が待たれるとの見解を表明しています。調査全体で34の臨床試験が参考にされたものの、対象患者数が限られていたり、公正な情報提供に疑問が残るものもあるためです。

医薬品の臨床結果をめぐる調査は、これまでにも問題になってきました。今回の調査も、中国のNational Basic Research Programが資金面で大きくバックアップし、フルオキセチンの治療効果のみが強調される結果となっていることから、調査方法の公平性が疑問視されています。

まだ服用を中止すべきではない

別の研究結果では、抗うつ剤の使用を控えて子どもたちのうつ病の治療を行なう危険性が指摘されたこともありました。

マイナスの影響が指摘された抗うつ剤の服用をただちに中止すべきだとの結論にいたるのは時期尚早との見解が、今回の調査発表にも含められています。

いずれにせよ、子どもが抗うつ剤を服用する場合、保護者が常にそばにいて、副作用の危険を注視するのに越したことはないと勧められていますよ。

image by Tom Varco

source: Lancet

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)