タトゥーを入れている人、当局が勝手にデータベース化しているとの新告発

タトゥーを入れている人、当局が勝手にデータベース化しているとの新告発 1

タトゥーで犯人特定も!

指紋や虹彩など、バイオメトリクスデータで本人確認する生体認証技術。いま米国内では、新たな生体認証方式として、タトゥーの活用が考えられています。実際にアメリカ政府とFBIとの間では、タトゥー活用の取り組みが水面下で進んでおり、電子フロンティア財団(EFF)が警鐘を鳴らしています。

事の発端は、2014年にアメリカ国立標準技術研究所(NIST)のImage Groupが、FBIのBiometric Center for Excellenceの協力を得て立ち上げたTattoo Recognition Technology Challenge(Tatt-C)プロジェクトであったそうです。主に米国内で服役中の囚人から収集した1万5000件のタトゥー画像からなるデータベースを作成。そのデータは、ひそかに大学や研究機関など、19の団体で共有され、タトゥーによる個人特定技術の開発が進められてきたんだとか。

先天的なバイオメトリクスデータとは異なり、本人が好んで入れるタトゥーは、どのような宗教を信奉し、どんな犯罪組織や政治思想に傾倒しているかなど、主義主張を強く表現したものとなります。Tatt-Cでは、タトゥーのデザインやメッセージだけで、それを入れている人が、どの組織団体に属しているのかを、ほぼ正確に特定できるようになったとされています。すでにタトゥーによる個人特定精度は95%にまで高まっているとのデータまで公表されていますね…。

しかしながら、EFFは、たとえ囚人から入手したタトゥー画像であっても、許可なく複数の組織団体で共有分析することは、プライバシーの侵害にあたると厳しく批判。また、タトゥーで個人の思想までデータベース化しようとする試みは、信教の自由に反する行為だと非難しています。米国民の5人に1人はタトゥーを入れているとの統計もあり、もしタトゥーデータによる差別化が徹底されるならば、その影響を受ける人の数は膨大なものとなりそうですよね。

今回、EFFの告発によって、はじめて実態が明らかになったTatt-Cですが、警察当局は、すぐにでも犯罪捜査と犯人の特定に積極活用していきたい意向を表明しているようです。まもなくプロジェクトは、次段階のTattoo Recognition Technology Evaluation(Tatt-E)へと進み、新たに10万件のタトゥー画像を、全国各地の警察や更生施設の協力を得て収集分析予定。さらなるデータベースの拡大と認識技術の精度向上が目指されていますよ。もしかすると、こうした動きは米国外にも広がっていくのかもしれませんね…。

source: EFF

William Turton - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)