AppleのCEOティム・クック、WWDC冒頭でオーランド銃乱射事件に黙祷

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ひとりの経営者の立場を超えたメッセージ。

今週末、米国フロリダ州オーランドで銃乱射事件が起き、50人もの人が亡くなりました。

本日開催されたアップルの開発者向けイベントWWDC(World Wide Developers Conference)で、AppleのCEOティム・クックは、冒頭で銃乱射事件について触れ、犠牲者たちと彼らを愛する人たちのために黙祷をささげました。

この事件について、バラク・オバマ大統領など各界のリーダーが哀悼のメッセージを発表する中、ティム・クックも次のようなツイートを出していました。

私たちの心は、オーランドの悲劇の犠牲者、その家族、そして彼らとともに悲しむすべての人たちとともにあります。

今回の事件はゲイ向けのクラブで起き、意図的にゲイをねらったものだと言われています。クックも2014年にゲイであることを公表していましたが、カミングアウトの動機について以下のように語っています。

実は、私は毎日、出勤してデスクに飾ってあるロバート・ケネディの写真とキング牧師の写真を観て、自分に尋ねるんです。「人生でもっとも永続的で、緊急を要する問いかけは、他人のために、今あなたは何をしているか?である」というキング牧師の言葉を。(略)私自身を分析したときに、自分の価値以上に誰かに何かできる影響力があることに気づきました。

Appleは現在時価総額最高の企業であり、ひとつの国かそれ以上の存在感があります。つまり、そのCEOであることは単なる経営者の枠を超えています。その立場からメッセージを発することで、多くの人を勇気づけられることにクックは気づいたんです。今回のWWDCのコメントとツイートも、ゲイのひとりとして感じた痛みから発したものであると同時に、公人としてのメッセージでもあるのでしょう。

クックがCEOに就いてからのアップルは、スティーブ・ジョブズの時代以上に企業としての社会的責任を果たそうとしているようです。

たとえば環境保護対策にも力を入れていて、会社運営に必要な電力の93%はクリーンエネルギーでまかなっているし、自前のソーラーパネルで生み出した電力はもはや売るほどになっています。

3月の発表イベントでは、iPhoneを分解しリサイクルに回すロボット「Liam」も発表されました。また女性の雇用に関しても現状を詳細にレポートし、クック自ら「まだ不十分」と厳しく自己批判していました。

WWDCでのコメントと黙祷は、彼の考えるアップルの社会的な役割を全世界に向けて発信したものです。もはやアップルは、ハードウェアやソフトウェアを開発するにとどまらず、ティム・クックの理想とする世界を作ることをミッションとしているかに見えます。

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source: Twitter, Apple

(miho)