このクロノグラフのデザインに隠された「魔法の技術」に驚愕せよ

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このクロノグラフのデザインに隠された「魔法の技術」に驚愕せよ 1

軽やかなんだけど重厚で、満足度が高い。

シチズンの腕時計「ATTESA F900」を身に着けたときの印象です。2015年に発売された、エコ・ドライブ(光発電)GPS衛星電波腕時計。「技術のシチズン」を象徴するモデルといえます。

その秘密を知るべく、ギズモードでは2015年11月に関係者へのインタビューを敢行。テクノロジーとデザインの粋が集められたモデルということもあり、アツいお話がたくさん聞けました。

そして今回、F900のことをさらに深く知るために、インタビュー企画の第2弾として、より「デザイン」にフォーカスした内容でお話を聞いてきました。

答えてくださったのは、広報宣伝部の前原浩文さん、前回のインタビューにも登場していただいたデザイナーの井塚崇吏さん、表面処理を担当する石井美称さんの、お三方。

冒頭にも書いた、軽やかなんだけど重厚で、満足度の高い感じはいかにして生み出されているのか? そこには、素材を含めた数々のイノベーションがあったのでした。

まずは素材。チタンへの飽くなき取り組み

このクロノグラフのデザインに隠された「魔法の技術」に驚愕せよ 2広報宣伝部の前原浩文さん

── F900は、まず身に着けたときの軽やかさに驚かされます。

前原さん:チタンという素材のおかげです。重さはステンレスの約57%。しかも金属アレルギーを起こしにくく肌に優しい。腕時計として理想的な素材です。ただ加工が難しいんですね。酸化しやすく燃えやすい。柔らかいので、磨いても表面にボコボコが残って「ゆず肌」のようになってしまう。この素材に対してシチズンは長い時間をかけて改良を重ねてきました。例えば、チタンを伸ばしたり打ったり、熱したり冷ましたりする中で特性が微妙に変化する、その組み合わせの中から加工に最適な状態を見つけ出す。そういった試行錯誤を重ねてきたわけです。

井塚さん:目指したのはステンレス並みの加工条件です。ステンレスは非常に加工がしやすく古くから腕時計の素材として使われていて時計のデザインをする上でとても良い素材です。ステンレスと同じような加工がチタンでもできるようになればと。

前原さん:当初のチタンを使ったモデルは平面の加工が難しかったため、曲面の多い柔らかいデザインが多かったですね。実は私も以前はデザインをやっていたので分かるのですが、デザイナーは平面を使ったデザインに対する欲求が強いのですよ。それで、デザイナー全員で何年も毎日のように「チタンで美しい平面を出せるようにしてほしい」と製造担当者に言っていました(笑)。それから徐々に改良されて、ある程度制約なくデザインができるようになったのは2000年を過ぎたあたりからですね。

このクロノグラフのデザインに隠された「魔法の技術」に驚愕せよ 3デザイナーの井塚崇吏さん

── チタンが扱いやすくなったことはデザインに対する影響も大きかったでしょうね。

井塚さん:一昔前は、チタンでミラー(鏡面仕上げ)など不可能でしたから。それが今ではステンレスの感覚でデザインできる。チタンによる制約は、少し厚みが増すくらいで微々たるものです。

前原さん:ただ、チタンは非常に傷がつきやすく、せっかく平面のデザインができてもそれを美しく保つには表面に硬い膜をつけなければならないのです。それを可能にしたのが表面処理の技術革新、つまり「硬質めっき」の実現です。

硬質めっきにより、傷がつきにくく色鮮やかなチタン腕時計が実現

このクロノグラフのデザインに隠された「魔法の技術」に驚愕せよ 4表面処理を担当する石井美称さん

── それを担当しているのが石井さんの部署というわけですね? めっきの開発に本格的に取り組み始めたのはいつごろからなのでしょうか。

石井さん:記録によると最初にイオンプレーティングの実験を始めたのが1974年、時計に使い始めたのが1976年とあります。現在、主流になっているデュラテクトという硬い膜はずっと後の技術です。以前は湿式のめっきがメインでしたが、シチズンはいち早くイオンプレーティングに着手し乾式めっきを行なってきました。近年はイオンプレーティングによる乾式のめっきがメインです。

── それはどういう方式なのですか?

石井さん:イメージ的には、鍋に水を入れて蓋をして火をかけると水が蒸発して蓋につくじゃないですか、この蓋が時計部品で、水が金属と考えてください。これをいろいろな手法で行ないます。ただ時計部品の表面に金属がつけばいいというわけではなく、より硬くなるよう試行錯誤したり、色のバリエーションを増やすために使う金属を変えたりしています。

── チタンは非常に柔らかいというお話がありましたが、このめっきを施すことで表面の硬さはどのくらいになるのですか?

石井さん:いま一番硬いものでサファイアと同じくらい、F900に使われているものは水晶と同じくらいの硬さです。そして滑りがよく小傷がつきにくいのが特長です。サンプルを持ってきたので、傷をつける実験をしてみてください。

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── こんなに硬いワイヤーブラシでこすっても傷がつかないのですね!

前原さん:さらに、めっきによって色も鮮やかなものが使えるようになりました。

井塚さん:純チタンの色って、ちょっとグレーっぽくて暗い印象なんですよ。これをステンレスのような白(編注:金属そのものの色を「白」と呼んでいる)や金にできないかと。

前原さん:金ができたときには「魔法の技術」と言っていました。金の指輪なんて、すぐに傷だらけになるでしょう? それが、このめっきをかけておくと常にきれいなんです。これは本当に、世界中どこへ行っても「魔法の技術」と言えます。傷がつきにくい金の時計、しかも軽くて肌に優しいチタン製だなんて、昔は夢のような話でした。

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── F900の色鮮やかなバリエーションは、めっきの技術に支えられているのですね。チタンの加工技術が向上することでさまざまな表現がしやすくなり、めっきの技術によって傷のつきにくさや色のバリエーションが得られた。デザインにおける制約は少なくなっているようですが、F900をデザインする上で意識されたことは何ですか?

井塚さん:ミラー部分と、あえてヘアラインを入れている部分のバランスには気を配りました。ミラーの分量が多いとギラギラしすぎてやぼったくなりますが、そこへヘアラインを入れることで落ち着かせられる。ヘアラインの方向も、縦と横を組み合わせることで、白っぽく見えたり黒っぽく見えたりするように考えています。あとは、薄く見えるような工夫ですね。

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── 例えば?

井塚さん:裏面を斜めにカットすることで実際の厚みよりも薄く見えるんですよ。そろばんのコマのようなものです。この視覚的な効果は腕時計のデザインでは重要だと思います。

エコ・ドライブGPS衛星電波時計ならではの、文字板デザインの難しさ

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── 逆に、ここは難しかったという点があれば教えてください。

井塚さん:ケースとバンドのデザインに関しては、ほぼイメージ通りに進められるのですが、文字板は難しいですね。光で発電させるので、文字板の裏にソーラーセルを敷いてあるのですよ。なので光を通さなければならない。

── 確かに…しかし言われなければソーラーセルの存在は感じないですね。

前原さん:少し前まではソーラーセルが透けて見えるものが多かったですが、F900に関しては光が通っていると思う人は少ないでしょうね。発電効率がよくなって、光量が少なくても済むようになったのも1つの理由です。

井塚さん:どのくらいの色の濃さなら何パーセントくらい光が通るのか、毎回試行錯誤です。また、電波を受信するのでセコンドリングなどの金属の大きさにも制約がかかります。これもデザイン画を描くだけでは完結しない、実際に作ってみないと分からないことも多いのですよ。ただ、最初から安全パイを狙っていくとつまらないデザインになってしまうので、毎回、文字板メーカーに怒られながらトライしています(笑)。

前原さん:文字板メーカーも、そういう要求がくることによって何が欲しいのかが分かるようになり、開発に向けて努力してくれる。そうやって文字板のクオリティが上がっていくんです。

── しかし、F900は時計としてスタンダードな佇まいというか、言われてみないとGPSなどのテクノロジーが詰まっていることを忘れてしまいますね。

井塚さん:行き着くところはそこなのかなという気がしています。機能を盛り込むと、どうしても大きく厚くなる。それでも初めは珍しいので受け入れられます。しかしそれが当たり前になってくると「なぜこんなに大きいんだ?」ということになるってくる。結局は時計本来の形にいかに持っていくかということかなと。

── ユーザーにそれと感じさせないイノベーションこそ、一番素晴らしいものだと思います。

井塚さん:チタンの切削も初めは「できるわけがない」というところからスタートして徐々に攻略し、次は傷がつきにくくなり、次は色がつく。さらに機能を盛り込みながら薄く小さく作り上げる。われわれは、どこまでも満足することなく進んでいきます。それが「BETTER STARTS NOW」ということなのだと思います。

* * *

BETTER STARTS NOW」はシチズンが掲げる信念。「どんな時であろうと、『今』をスタートだと考えて行動するかぎり、私たちは絶えずなにかをより良くしていけるのだ」という考え方だそうです。なるほど、まさに。

インタビューを終えて、冒頭に書いた「軽やかなんだけど重厚で、満足度が高い」というF900の印象がどこから来ているのかがよく分かりました。

物理的に比重の軽いチタン製であることもさることながら「能ある鷹は爪を隠す」的スタンダードな佇まいが軽やかさを演出している。

しかし、ここに至るイノベーションの積み重ねはどうしたって隠すことができない。滲み出てきます。それが重厚さを生み出している。

そして、この密度の濃いプロダクトを腕に着ける満足感、なのです。

このクロノグラフのデザインに隠された「魔法の技術」に驚愕せよ 9

ところで、ATTESAにはいくつかのモデルがラインナップされていますが、シンプルな機能とデザインを求めているなら、こちらのCB3010-57Eがよいかもしれせん。

GPS衛星電波機能は搭載していませんが、F900と同じチタン製のワールドタイム電波時計。シンプルな文字板は時と場所を選ばず活用できそうです。F900を頂点とするATTESAのフィロソフィを、より気軽に感じることができるでしょう。

そしてそして。ATTESAのコアテクノロジーの1つである光発電技術=エコ・ドライブが1976年の誕生から今年で40周年を迎えるということで「エコ・ドライブ 40周年キャンペーン」が2016年6月10日から2016年8月15日まで実施されています。

期間中にエコ・ドライブ搭載モデルを購入した人の中から抽選で豪華プレゼントが当たるというもの。詳しくはコチラを参照してください。

F900を検討するならいまがチャンスかな? お見逃しなく!

source: ATTESAF900CB3010-57E

(執筆:奥旅男/撮影:小原啓樹)