Alphabetの会長エリック・シュミットが予言する6つのテック・トレンド。ギズモードで復習しましょう

Alphabetの会長エリック・シュミットが予言する6つのテック・トレンド。ギズモードで復習しましょう 1

「一番良い予言とは、それを発明してしまうこと」

元Google会長、現在はGoogleの親会社であるAlphabet会長であるエリック・シュミット氏。先日行われたAlphabetの年次株主総会で「これから最も重要な6つのテック・トレンド」を予言しました。その全体がYouTubeで見られます。

予言って言ってもですね、エリック・シュミットがするんですから、もはや予言ではないわけですよ。なにせプレゼンテーションがこんな感じで始まったんです。

(コンピューター科学者の)アラン・ケイの名言で私が気に入っているものがあります。

未来を予言する一番の方法は、それを発明してしまうこと」

かっこ良すぎーー!

なのでシュミット氏が「これからのテック・トレンドだ」と予言しているということは、「Alphabetはこれらを実現していきますよ」と言っているのと等しいわけです。ではシュミット氏が挙げた6つのテック・トレンド、ギズモードの記事と合わせて復習していきましょう。

1: 肉の代用品を開発

まずは食のテクノロジーです。実際の肉を食べるのではなく、植物を使って肉のような食品を生産することができるようになってきています。ベジタリアン用のミートボールやソーセージ、食べたことがある人も多いのではないでしょうか。植物を使って肉の代用品を作るテクノロジーはかなり進んでいます。家畜を育てる代わりに植物を育てることで温室効果ガスを減らすことができます。シュミット氏によると肉業界、実はかなり温室効果ガスを排出しているとのこと。

また家畜を育てて屠殺し、輸送して...というプロセスは効率の面からも良くありません。植物であれば少ないエネルギーでより多くの食料を供給できるわけです。

食料危機なんて先進国に住む人には関係ないんじゃないの?という方はこちらの記事「温暖化の影響で農作物の生産量が減少し、2050年には50万人が亡くなる」を、でも合成された偽の肉なんてまずいんじゃ...?という方はこちらの記事「人工肉が食卓に並ぶのはそう遠い未来ではない。」をお読みください。こちらの記事「スーパー耐性菌止めるにはこれしかない? 培養肉の未来へようこそ」も必読です。

2: 3Dプリントで建築

3Dプリントの次の目標は「ビルを建てる」です。

住居にしてもオフィスビルにしても、建物を建築するのは時間もお金も人手もかかります。しかし3Dプリンターによって建物の建設がより効率化すれば、費用も時間も一気に減るだろうとシュミット氏は言います。プリントアウトされた資材を現場で組み立てることで効率化できるだけでなく、リサイクル資材も導入しやすくなると指摘します。

3Dプリンターで家を建てたらいくらになるのか?なんて試算を出したこちらの記事「もし3Dプリンターで家が作れたら、この家いくらくらいになんの?」はたった3年前の記事ですが、もうすっかり実用化が見えるようになってきたわけですね。そして部屋や建築物の一部に3Dプリンターを使用する試みはすでにあるようで、「ドバイに「未来美術館」が建設? 建物からしてすでに未来」で紹介しています。

宇宙ではロケットに資材を運ばせるのが高くつきます。そのためコロニー建築先でプリントアウトしてしまうアイデアは長く提案されてきました。こちらの「NASA、3Dプリントできる宇宙コロニーのアイデアコンペ実施」に書かれています。

3: 仮想現実(VR)

当然入っています仮想現実。これはもうシュミット氏ではなくても多くの人が「これからのトレンドになる」と信じているのではないでしょうか。しかしシュミット氏はゲームやエンターテイメント以外の目的のVR利用が増えるだろうと予言しています。ふ、深い...。

ゲームやエンターテイメント分野でのVRについての記事はたくさんありますが、こちらの記事「マーク・ザッカーバーグ氏、「未来のVRは普通のメガネみたいなデバイスで利用するようになる」」ではFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOが「VRが世界とユーザーをつなぐインターフェースとなる」と予想しています。「VRの本格展開きた…米陸軍で特殊訓練に正式採用中」で紹介したトレーニング・ツールとしてのVRや「報道もVRに。NHKが360度映像のニュースアーカイブを公開」で紹介した報道への活用はエンターテイメント以外の活用例ですね。

4: 医療とモバイル・デバイスの融合

私たちの持つスマートフォンは数年前のコンピュータを凌駕してしまうような性能を持ち、ネットワークにつながっていて、高解像度のカメラを備えています。しかも多くの人が肌身離さず持ち歩いています。医療への応用との相性は抜群なわけです。

医療分野への意欲を示しているのはAlphabetだけではありません。AppleもResearchKitを始めとしていろいろなアプリやアプリ開発プラットフォームを発表してきています。こちらの記事「50の医療機関が1年かかってやることを、24時間でやってのけたResearchKit」ではモバイルデバイスと医療データ収集がいかに相性が良いかがわかります。健康管理アプリについて知りたい人はAppleのCareKitについて書かれた「AppleからCareKitアプリが続々登場! うつ病、糖尿病、妊娠、新生児の状態を管理」をお読みください。

5: 自動運転車

当然のごとくトレンド入りです。こちらはもはや説明の必要はありませんね。シリコン・バレーにとっては非常に大きなビジネスチャンスであります。シュミット氏は安全性に与えるインパクトを強調しています。

今年もアメリカの道路では3万2800人が(交通事故で)死にます。誰が死ぬか、まだ分からないだけです

もうセリフがいちいちかっこよくて説得力があるのがすごいです。そうです。毎年必ず交通事故で誰かが死ぬんですよね。人間が運転する以上は必ずミスが起きるわけですから。

こちらの記事「こ、これは説得力ありすぎるっ。自動運転車で街がどう変わるか描いた風景が必見」では建築事務所によって作られた「自動運転車が一般化した将来のプレゼンテーション」を紹介しています。「日本も負けてないよ。自動運転タクシー2020年までの実用化を政府が認める」では日本での実用化についてもレポートしてきました。自動運転車で失業する人も出てくるのでは...と気になる方はこちらの記事「自動運転車で失業するのは運転手だけ、と思うのは甘い」をお読みください。カーディーラー、修理工、ガソリンスタンド...と影響は広いことが分かります。

6: テクノロジーを利用して教育を改善

ゆとり教育が〜暗記中心が〜早期英語教育が〜と日本でも教育改革の議論はつきません。しかし確実に言えることは何でしょうか?「一人ひとり、学び方は違う」とシュミット氏は言います。テクノロジーを使えば、生徒の学習状況をモニターし、それぞれの生徒に最適な方法論は何であるか特定することは簡単になります。教師たちがよりうまく、より効率的に教えることができるツールを開発すべきだと言うシュミット氏、誰も異論はないのではないでしょうか。

世界中の学校でマインクラフトを授業に活用。MSが情報共有サイトを公開」では、子どもの創造性を育てて学習を助ける効果が注目されているマインクラフトの活用について紹介しました。

しかしシュミット氏は言っているのはこういった一つ一つのアプリやプロジェクトだけでなく、もっと大きな枠組で生徒の学習を管理するコーチング・システムのような物を想像させます。

以上がシュミット氏が「予言」する6つのテック・トレンドです。こうやって並べられると、気候変動や食糧危機、教育格差、交通事故と世界が抱えている問題についても理解が深まります。こうやって脳内でテック・トレンドをマッピングしておくと時代の流れに追いついていけそうですね。

source: 2016 Annual Meeting of Stockholders / YouTube

(塚本 紺)