250個のハンバーガーを遺伝子チェックしてみたら、ちょっと食欲が減る結果に

250個のハンバーガーを遺伝子チェックしてみたら、ちょっと食欲が減る結果に 1

食品の遺伝子テストを義務付けるのはアリかもしれない。

去年、バイオテクノロジー会社であるClear Labsホットドッグに含まれる遺伝子チェックをしたところ、ラベルに表示されている原材料以外の物が含まれていることが分かりました。この度、Clear Labsは同じ分子テクノロジーを使ってハンバーガーに何が含まれているかを調べたようです。その結果を読んでみると、うーんなかなか食欲が減る感じとなっています。皆さんが今日のランチで食べたあのお肉、本当に牛肉だという確信はありますか...?

Clear Labsの最新のレポートでは肉を使ったハンバーガーとベジタリアン向けのハンバーガーのサンプル258個を遺伝子・栄養という側面で分析しています。その結果14%のサンプルにおいて重大な問題が発見されたとのこと。

重大な問題とは、表記された原材料とは違うものが使われていたり、栄養分のラベル表示からの大きな逸脱があったりというもの。なんとネズミのDNAが発見されたサンプル、食品に媒介する病原菌のDNAが発見されたサンプルもいくつかありました。そしてなんと人間のDNAが含まれたものも、1つ存在していました。

あわわわ...都市伝説は本当だったぁ!と言いたくなります。しかし、話はそんな単純ではなさそうです。

「小売店・製造業者向けの世界初の食物分析プラットフォーム」を名乗るシリコンバレー・スタートアップのClear Labs。彼らが開発したDNAシーケンシング技術を使うとどのような食品も、植物、動物、バクテリア、カビ類、の何が含まれているか分析することができるんです。以前のレポートと同様、分析は”半定量的”なものとなっており、含有物が微量であるか、それとも構成原料として有意な量であるかを判断することまでできると。

ネズミ、人間、病原体のDNAは今回は微量なものとして検知されたようです。よかった...ハンバーガーの肉が全部実はネズミ肉だった!という話ではないわけですね。もちろん衛生上問題があることに間違いは無いですが。

ヒトDNAが含まれているベジタリアン用冷凍ハンバーガーがひとつ検知されたからって、製造する工場で連日怖ろしい惨事が起きている...というわけでは無さそうです。

むしろこのサンプルを扱った人がグローブも付けずにハンバーガーを触っていた..というレベルが想定されます。

ネズミのDNAも同様です。このサンプルを扱ったネズミがグローブも付けずに...じゃなくて不注意や事故が原因でついてしまったというのが実情でしょう。もちろんそれでも不衛生かつ食欲を無くす事態ではあるのですが...メーカーが消費者を騙してネズミ肉を使っている!という話では無いわけです。

その一方で消費者を騙しているケースもありました。いくつかのバーガーでは、記載されていない原材料が大量に使用されているという”混ぜ物”ケースが発見されたんですね。たとえば子羊の肉やバイソンの肉を謳ったハンバーガーに牛肉や鶏肉が混ぜられていたりというものです。黒豆を原料にしたバーガーと表示されているのに全く黒豆が含まれていなかったりもしました。ここまでくると完全に偽装表示ですね。ベジタリアン用バーガーのうち14個はラベル表示されている原材料のうち何かが欠けていました。

米Gizmodoの取材に対してClear Labsの共同創立者であるMahni Ghorashi氏は「ベジタリアン製品のほうが多く問題が検知されたことにすごく驚きました。というのも、普通ならベジタリアン製品のほうが安全だと考えるからです」と述べています。Ghorashi氏はまた原材料の混ぜ合わせ・代替といった問題に加えて、ヒト病原体のDNAが含まれている割合もベジタリアン製品の方が高かったと言っています。合計で12のサンプルにおいて胃腸炎や肺炎を引き起こす原因となり得る虫の存在が検知されました。

しかし専門家の中にはレポートに懸念を示している人もいるようです。

このレポートの中でも述べられていますが、1番の懸念はこの方法では生きている細胞と死んでいる細胞の区別がつけられないことです。調理プロセスでほとんどの病原体は死にます。この点において彼らの発表は少し誤解を生みやすくなっています。

とジョージア大学の食品微生物学の教授であるMichael Doyleは述べます。

シーフード業界で多く発覚している偽装問題IKEAのミートボール馬肉混入問題と、食品偽装が世間を騒がせる中、Clear Labsのレポートは注目に値します。遺伝子テストがどんどんと安価かつ信頼できる精度になっていますし、規制団体は遺伝子テストを業界標準にすることも考え始めて良いのではないでしょうか。

専門家が指摘するように、Clear Labsの分析はまだまだ洗練される必要があります。もちろん虫のDNAがバーガーに入ってたのは...まぁ食欲が減りますが、ホラー映画のような結論に飛びついてしまう必要は無いということですね。

image by Agustín Nieto / Flickr

source: Clear Labs

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)