あの軍用止血スポンジ注射器、初めて人命を救う

あの軍用止血スポンジ注射器、初めて人命を救う 1

2015年に軍事用だけでなく民間用としても米国食品医薬品局(FDA)に認可された止血用のスポンジ注射器、XSTAT 30。ギズモードでも紹介しましたが、小さく錠剤になったスポンジを注射器で傷口に押し込むと、血液を吸収してふくらんで止血します。なんと15秒で銃創をふさぐという優れものです。特にそけい部やわきの下といった、止血帯では大量出血を止められない部位を負傷したときに有効だそうです。スポンジには放射線を通さないマーカーが入っていて、X線をあてればすぐ見つけられます。

そんなXSTAT 30が、初めて実地で兵士の命を救ったそうです。

対象となったのは左腿に銃槍を負った多国籍軍兵士。7時間も手術を試みたものの激しい出血は止まらず、XSTAT 30が使われたそうです。以下は医療科学誌「Journal of Emergency Medical Services」で発表された詳細です。

(患者は)大腿動脈と静脈が切断された状態で、大腿骨と軟組織が損傷しており脚に大きな空洞を作っていました。検査と治療のため患者は前方外科チーム(FST)へと輸送されました。近位部、遠位部の血管を制御した後、骨と副血管からの残出血を制御するために医療チームは数時間を費やしました。約7時間に及ぶ手術を通して骨ろうや焼灼法などによる止血が試みられましたが、どれも成功せず患者は複数回にわたって輸血を受けました。最終的にFSTはXSTATの使用を決断し、大腿骨の空洞に対しデバイスを一度利用したところほぼ直ちに止血が達成される結果となりました。患者は安定し医療機関へと引き渡されました。

難しい言葉がたくさん並んでいますが、要するに従来の止血法を使って7時間くらい出血を止めるための手術をしていたけども、スポンジ注射器XSTATを使ったら一瞬で止血できたよ、という話です。その手術室、ぜったい拍手が起きたと思います。

プロダクトを開発したRevMedxのプレジデントでCEOのAndrew Barofskyさんは次のように喜びの声明を出しています。

患者の人命救助にXSTATが重要な役割を担い、私たちはとても嬉しく思っています。今後さらに、深刻な出血に対する、病院搬送前のスタンダードな止血法として使われるようになることを願っています

もともと2014年に軍事用として認可され、去年には民間での使用もFDAに認可されたXSTATです。実地での大成功を受けてどんどんと普及するかもしれませんね。

image by RevMedx Inc.

source: JEMS via Science Alert

George Dvorsky - Gizmodo US[原文

(塚本 紺)