iOS 10の発表まとめ。Siriも地図もiMessageも、一気にオープン化

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大きな節目になるかもしれません。

今日のWWDCで、Appleにとって10代目となるモバイルOS、iOS 10が発表されました。バージョンが2桁になるのを記念するかのように、今回のiOSはアップデートもりもりでやってきました。Googleなど競合へのキャッチアップも多々ありますが、今までクローズドだったいろいろな機能がオープン化され、Appleの戦略という意味では大きな変化があるように見えます。

ロックスクリーンが一気に充実

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キーノートで登壇したAppleのソフトウェア担当上級副社長、クレイグ・フェデリギ氏は、今回のiOSアップデートは史上最大だと言っていました。ロックスクリーンが完全にリデザインされ、通知から直接アクションできるようになったり、Uberアプリではドライバーのステータスアップデートがリアルタイムで見られたりします。3D Touchを使ってたまった通知を一掃したり、ミュージックアプリやカメラへのショートカットが追加されたりしました。

通知センターの「今日」パネルのウィジェットもアップグレードされ、3D Touchによって個々のアプリのより深い情報が見られるようになります。

Siri、ついにデベロッパーに開放

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噂通り、Siriがデベロッパー向けに開放されることになりました。つまりSiriからサードパーティアプリを開いたり、操作したりができるようになるってことです。フェデリギ氏はデモで「WeChatでナンシーに『5分遅れる』って言って」と伝え、同じ意味のフレーズを何パターンか言っていました。どういう言い回しでも、Siriがちゃんと理解するはずです。

いくつかのパートナーは、iOS 10のローンチ時点からSiri対応する予定だそうです。たとえばメッセージングアプリではWeChatにSlack、WhatsApp、写真検索ではShutterflyやPinterest、エクササイズアプリではMapMyRunやRuntastic、Runkeeper、決済ではSquare Cash、VoIPではSkypeやVonageなどの名前が出ていました。もちろんSiri対応アプリのリストは、これから無限に増えていきます。ちなみにCarPlayでも使えるので、車の運転中は特に重宝しそうですね。

これによってSiriは、前々からサードパーティアプリと連携しているGoogle Nowにキャッチアップし始めることができます。本当にようやくという感じですね。

Quick Typeが賢く

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Appleはディープラーニングを使って、Quick Typeキーボードをぐっと賢くしています。たとえばテキストメッセージで、AさんからBさんのメールアドレスを聞かれたら、Siriが連絡先を参照してBさんのメールアドレスをサジェストしてくれます。また、位置情報やカレンダーに入れた予定などを使って、ユーザーの予定を把握したり、入力内容をサジェストしたりもできます。

写真アプリも人工知能で強化

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写真アプリには画像認識機能が搭載され、写っている人物や背景などでカメラロールを整理してコレクションを作ってくれます。よさげなんですが、いろいろとGoogle Photosっぽい印象が否めず、これまたキャッチアップな感じです。

地図もまだがんばってます

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Appleの地図は立ち上がりでコケてしまいましたが、それはもう4代も前、iOS 6のときでした。Appleのインターネットソフトウェア・サービス担当上級副社長のエディー・キュー氏は、彼らの地図がCarPlayとより深く連携し、またデベロッパーに開放されることを発表しました。彼によるデモでは、地図アプリからOpenTable経由でレストランを予約し、そこまで移動するためのUberを呼び、支払いをApple Payでするという一連の操作が見られました。基本的にAppleはまだ地図をあきらめていないようですが、こちらもキャッチアップ感がただよいます。

Apple Musicが全刷新

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Apple Musicが批判されていた大きな理由は、デザインがカオスで操作しづらいというものでした。それが今回、全体的に黒、白、ピンクというカラースキームにすっきりまとまりました。「Recently Added(最近追加)」という新たなセクションができ、そこでは新しくApple Musicに追加された曲に素早くアクセスできます。

「For You」セクションもアップデートされ、SpotifyのDiscover Weeklyみたいな感じで、ユーザーの最新の嗜好を反映したプレイリストがここに入ります。Beats 1でも新たな検索ができるようになり…という具合に、Apple Musicに関してはほぼあらゆる面が改良されました。

Newsアプリも好きになれるかも

iOS 9でローンチしたNewsアプリは、Flipboardのデザインを改悪したようなものでした。でも今回は完全にリデザインされ、少なくとも見た目は良さそうになったうえに、サブスクリプションにも対応(今までしてなかったことの方が不思議ですが)、号外の通知機能も加わりました。これでやっとこさニュースアプリらしくなったんじゃないでしょうか。

HomeKitに「Home」アプリ

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AppleはInternet of Thingsのプロトコル、「HomeKit」を活用したアプリ「Home」を発表し、ついにスマートホームに本腰を入れだしたようです。Homeアプリで家のいろいろな機能をまとめて操作できる「Scene」なるものがあります。これは、たとえば「Good night scene」なら電気を暗くし、ドアの鍵を閉める、といったことです。ただし、これまたサムスンのSmartThingsで既視感あふれています。

電話の基本機能もアップデート

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電話アプリもアップグレードされ、たとえばGoogle Voiceみたいな留守番電話のテキスト起こし機能が付きました。また、スパム的な電話を自動で検知してくれます。連絡先アプリもデザインが刷新され、各連絡先ごとに利用可能な連絡手段へのアクセスがより早くできるようになりました。

iMessageがもっとビジュアルに

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iMessageでWebへのリンクを送ると、リンク先から画像や動画を引っ張ってきて表示するようになります。それから絵文字! 絵文字が3倍大きく、使いやすくなります。

GoogleのAlloアプリ的な新機能も追加されました。メッセージアプリでは、文字の大きさを調節して、強調したい思いとかこそっとささやきたい気持ちを表現できます。手書きメモを書いたり、アプリ内で音楽をシェアしたり再生したりもできます。「見えないインク」なる機能もあって、これを使うと、スワイプするまで読めないメッセージが送れます。

そしてiMessageもデベロッパーに開放され、メッセージングプラットフォームの上にいくつものアプリを載せられるようになります。が、これに関してもFacebook Messengerや、Bot Frameworkを発表しているMicrosoftといった先行者がいます。フェデリギ氏はステッカーアプリやDoordashでの食事のオーダー、そしてJibJabを使ってGIFで遊んだり、といったデモをしていました。

言及されなかったけど大事なこと

Appleは明らかに、純正アプリが不人気なことを軽く見ているようです。でも今、要らない純正アプリは削除できるようになり、欲しくなったらまたダウンロードが可能になりました。これらのアプリはすでにApp Storeで入手可能になり、デベロッパープレビュー版iOS 10をダウンロードした人たちがそれを確認済みです。

LivePhotosではフィルタと手ぶれ補正が使えるようになりました。カメラアプリの立ち上がりが早くなり、iMessageの既読通知はメッセージごとに設定できるようになります。9to5Macが、こうした細かなアップデートの完全リストを公開しています。

これまでになくオープンなiOSへ

今回のiOSに関する発表では、これまでにないほどのサードパーティデベロッパーへの開放的な姿勢が見られました。ある意味では、サードパーティにいろいろと委ねてしまうGoogleのイデオロギーに近づいたようにも見えます。ただAppleは、機能のオープン化を発表する一方で、プライバシー対策を一層強化することも強調しました。

iOS 10のリリースは今年の秋、パブリックベータはは7月に使えるようになります。今回のアップデートが実際どれくらいインパクトを持つのか、そこでもっとはっきりしてくることでしょう。

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Image: Andrew Liszewski

Darren Orf - Gizmodo US[原文

(miho)