ハリウッドで最も危険な交差点。そのシンプルな解決策とは

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東京の人には決して珍しくない、この方式が採用されました。

LAで最も危険な交差点だといわれていたのは、オスカーのアカデミー賞授賞式が行なわれるレッドカーペットの出発地。年に一度、多くの著名なハリウッドスターが集まるだけでなく、日々、大勢の旅行者たちが利用するのが、ハリウッド・ブールバードとハイランド・アベニューのあいだにある交差点です。

全米で歩行者の事故死が急増したことを受けて、交差点の危険度について調査が行なわれたのは昨年後半のこと。ほとんどすべてのリストで、上位にはハリウッド・ハイランド周辺があがりました。自動車と通行人のどちらも行き交う最も混雑する交差点のひとつというだけではなく、不注意なドライバーたちや、歩道の人の多さから車道を歩く歩行者も散見されるのだとか。

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LADOT(LAの運輸局)が公開した「High Injury Network」とよばれるマップは、危険度の高い通りを赤いラインで示しています。2009年1月から2013年12月までのデータが適用されており、ハリウッド周辺が赤いラインだらけということがわかります (Image by SWITRS, LADOT)

昨年11月には、LAの運輸局によって、新しいスクランブル(またはバーンズ・ダンスとよばれる)交差点にリデザインされました。

歩行者と運転手の移動時間を分けることで衝突事故を防止するだけでなく、対角線を渡れば2つの信号を待つことなくスムーズに人の移動が可能になります。また自動車にとって、最も事故の起きやすい右折左折が、より安全で効率的になることも期待できます。

LA運輸局は交通事故死者数をゼロにするVision Zeroとよばれるプロジェクトの一環として、データをもとに危険度を減らすアプローチを行ないました 。

そのために、ロサンゼルス市警察と協働しながら、あるオープンデータ・ポータルへ事故データを入力していきました。ハリウッド・ハイランドにおける2009年から2013年まで年間の事故件数平均は、13件。2015年1月から11月までに19件の衝突事故で13のけが人が発生しました。一方で、11月にスクランブル交差点へデザイン変更されてからは、自動車対自動車の衝突事故が3月に1件発生、けが人はゼロだといいます。

「安全を守るというのは長期戦で、勝利宣言が出せるまでには時間がかかるものだ」と米Gizmodoに語ってくれたのは、LA運輸局でゼネラルマネジャーを務めるSeleta Reynolds氏。「最初の成功は収めたが、Vision Zeroの5年にわたる分析のように、我々はこれからも長期的な評価を続ける」といいます。

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ハリウッド・ハイランドにある交差点のビフォー・アフター (image by LADOT)

ところで、こんな風に思ったことはありませんか? スクランブル交差点は便利で安全。なのにどうしてこの世に溢れる多くの交差点はスクランブルしていないのだろう...と。

その答えは、費用面混雑規模にあるみたいです。スクランブルは、交通量の多い交差点における最善の解決策であるものの、LA運輸局が見積もるところ、1つの横断歩道につきデザイン変更を行なうには、およそ10万ドルのコストがかかります。

交通量と予算によっては、もっと良い解決方法もあるでしょう。たとえば縁石の色をはっきりとさせてでっぱらせれば歩行者の通行が見えやすくなるでしょうし、また歩行者と自動車が同時に動きださないよう信号の変わるタイミングをずらすLPIと呼ばれるプログラムが無料で配布されています。

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1998年に初めて提案されたスクランブル交差点(image by Deborah Murphy)

スクランブル交差点は現在、東京のほかロンドンの街でも見かけることができます。実はアメリカでも普及していたのですが、それは50年以上も前、まだ車よりも歩行者が優先されていた頃の話です。

Los Angeles Walks創立者兼エグゼクティブディレクターであるDeborah Murphy氏は、今回のハリウッド・ハイランド地区で約20年前にもスクランブル交差点が推奨されていたことを指摘。「最初に提案された1998年の時点で導入していたら、何人の命を救えただろうか」とコメントを残しています。

今回のスクランブル交差点の導入効果が認められた場合には、自動車の数よりも歩行者が多いハリウッド・ブルバード上にあるその他の交差点のリデザインも期待されます。その一方で、同通りで自動車の全面進入禁止という解決策もあるみたいですけどね。こちらはパリをはじめ欧州で近年ムーブメントのように見られる傾向ですが、車社会のLAでも受け入れられるでしょうか。

Top image by LADOT

Alissa Walker - Gizmodo US [原文

(Rina Fukazu)