ロゼッタの彗星、腐れ縁のふたつの彗星でできているのかも

ロゼッタの彗星、腐れ縁のふたつの彗星でできているのかも 1

離れてはお互いの周りを回り、またくっついて…。

2014年11月、探査機ロゼッタの着陸機がチュリュモフ・ゲラシメンコ彗星、またの名を彗星67Pに着陸しました。そこには生物の元となる有機物質があったり、独自の「天候」があったりと興味深い発見が続きましたが、そもそもこのぼた餅をふたつつなげて投げ飛ばしたような形が謎でした。でも新たな研究で、この形は実際ふたつのぼた餅、ならぬ彗星がくっついてできたものであることが推定されました。さらにその彗星たちは、くっついたり離れたり、お互いの周りを回ったりを延々と繰り返しているらしいんです。そしてこのような星は、他にもあるかもしれないんです。

その研究はパデュー大学とコロラド大学ボルダー校の研究チームが行なったモデリングによるもので、Natureで発表されています。彼らは、67Pのふたつのぼた餅の間に、サッカー場の長さくらいはある大きな割れ目がふたつあることに着目しました。論文の共著者であるヒラバヤシ・マサトシさんとCaniel Scheeresさんは、2014年にロゼッタが高解像度で捉えたその割れ目を見て、過去に何らかの衝突があったのだろうとすぐに気づきました。

研究チームは67Pの進化の過程を再現すべく、67Pの“クローン”モデル1,000個を作り、5,000年の間どう動いてきたかをシミュレーションしてみました。5,000年とは、いわゆる「木星族彗星」の寿命とされる期間です。そのシミュレーションの中で、彗星の自転1回にかかる時間を現在の12時間から7〜9時間に短縮していくと、67Pが割れ始めたんです。「私たちの自転の分析では、割れ目ができる位置を正確に予測できた」とSheeresさんはプレスリリースで言っています。

さらに67Pのクローンの自転速度を7時間に1周以上にすると、ぼた餅のひとつがぽっきりと取れてしまいました。でも取れた部分はただ宇宙空間に投げ出されるのかと思いきや、もうひとつのぼた餅の重力に引きつけられ続けていたのです。ふたつのぼた餅がお互いの周りを周回し、しかも時間とともにまた違う形で合体していて、それにかかる時間は数週間、短ければ数時間ほどのこともあったそうです。

67Pは生まれてこの方ずっとくっついたり離れたりを繰り返してきたのかもしれず、また同じようにぼた餅がつながった形の彗星ではこれが普通なのかもしれません。この現象がどれくらい頻繁に起きているのかはわかりませんが、研究チームによれば、周期彗星の自転速度はつねに太陽や木星の重力の影響を受けています。また自転速度は、ガスの放出や水の昇華で質量が減ることによっても変化します。

何回もくっついたり離れたりしていることで、67Pの崩壊が早まっている可能性もあります。Scheeresさんは「これはこの論文の仮説ですが、彗星の核がこのプロセスを何回も経ると、最終的には核のひとつが小さくなり、回転によって飛ばされて崩壊するのかもしれません」と話していました。

研究チームでは67P以外の彗星の画像もより詳細に分析し、同じような力の影響を受けるのかどうか検証しようとしています。ハレー彗星も67Pのようなつながった形だったので、そのような星が意外と多いとしたら、我々の太陽系にはダイナミックに形を変える星がもっと他にもあるのかもしれません。

source: Nature

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(miho)