Appleの瞑想アプリ「Breathe」ってちょっと...という正直な話

Appleの瞑想アプリ「Breathe」ってちょっと...という正直な話 1

近年よく耳にする、「マインドフルネス」というワード。

実はすでに500以上もの関連アプリが存在するこの時代、先日のWWDCで公開された情報によるとApple Watchは瞑想アプリを採用しようとしているんです。

Appleが発表したアプリ「Breath」は、インド出身の作家ディーパック・チョップラ氏の言葉の引用とともに、深呼吸のリマインダーや簡単な瞑想エクササイズを促すというもの。

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「毎日少しでも深呼吸をする時間を確保することはストレス軽減につながります」

チョップラ氏は、自身オリジナルの瞑想アプリ「Jiyo」を先日公開したばかり。しかも呼吸法の音声ガイドや瞑想エクササイズと、AppleのBreatheと似た特徴になっているそうです。

ただチョップラ氏は、これをアプリと呼びたくないそうで、幸福パートナーという言葉を好むのだとか......。ちなみに米Gizmodo記者は、彼を「新世代のゴミ屋さん」だと言い表しています。

そもそも科学的にどうなの?

科学的な視点から、チョップラ氏の考え方やTwitterでの発言は「疑わしい」とする専門家の声もあります。

「科学的に、瞑想アプリはほとんど役に立たない」と見解を明らかにしたのは、ハーバードの精神病医学者でJMIR Mental Healthジャーナルの編集長であるJohn Torous氏。現在、こうした類のアプリが専門家によって調査されていることを示しながら、「現段階で、瞑想アプリが効果的だと言うのは時期尚早だ」とFast Companyで語っています。

今年はじめ、Natureに掲載された研究では、科学的に正確なアプリを作ることは非常に難しい事実を踏まえつつ、不適切なアドバイスや誤った情報を含むアプリの危険性について指摘されていました。

昨年にはオーストラリアにあるクイーンズランド工科大学の研究によって、マインドフルネスをテーマとする606個のアプリのうち、実際に専門的なテクニックを導入しているのは23個のみであることが明らかになりました。そのほか583個のアプリの内容は、タイマーリマインダーで、現在進行中の作業を一度やめて深呼吸を促すだけというものがほとんど。

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深呼吸リマインダーは、テキストや絵文字を使って自由にカスタマイズ可能

もちろん、深呼吸だって大事です。7年以上にわたって深呼吸の効果を調べてきたスタンフォード大学Calming Technology LabのJonathan Palley氏、Neema Moraveji氏は、意識的ゆっくりとした呼吸法は、血圧を下げて脳内の幸福ホルモンを増やす効果があると示しています。

ふたりが開発したマインドフルネス専門のフィットネストラッカー「Spire」は、1台150ドルで運動記録のように呼吸をトラックできる小さなマシン。iPhoneアプリやApple Watchと連携して、著名な専門家による呼吸法エクササイズのほか、緊張や神経質な状態にあると思われた際に深呼吸をするリマインダーを受け取る仕組みになっているのだそう。

ちなみに米Gizomodo記者が以前試したときは、リラックスしているときに深呼吸のリマインドを受けたというのだから、正確性は改良の余地があるみたいですね。

既存のアプリに似すぎ

またAppleの次なるパクリ疑惑も浮上しつつあります。ひとつは、下の画像のとおり、Spireのインターフェイスに注目すると、グリーンの円のデザインがAppleのBreatheのインターフェイスに似通っているという意見。

さらに昨年App Storeに登場した瞑想アプリBreatheなんて、名前もコンセプトも被っているんです。ややこしい...! Breatheの開発者Ben Erez氏は、「同じ名前、同じコンセプトでアプリを乗っ取るなんて厚顔無恥だ」と、米Gizmodoにコメントを残しています。

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マインドフルネス専門フィットネス・トラッカー「Spire」。グリーンの円部分は、AppleのBreatheに見られるデザインと類似している

改めて整理しておくと、インターフェイスに類似部分が見られたSpireも、昨年からリリースされていたほうのBreatheのどちらも、つい先日AppleがBreatheを発表する前から瞑想アプリとして存在しています。すでにマインドフルネス関連のアプリは数百もの単位で存在することから、おそらく開発者にとって差別化は重要なはずだけれど...Appleは今回Breatheを発表する前に、念入りに市場調査をしなかったのか、はたまた同名のアプリが存在することを気にも留めなかったのか...。

いずれにしても、不要な純正アプリはiOS 10ベータ版から削除可能という情報も飛び込んできたことですし、Apple Watchユーザーのみなさまはひとまずゆっくり深呼吸しながら、Breatheが画面に現れる日を待つことにしますか。

Alissa Walker - Gizmodo US [原文

(Rina Fukazu)