シリコンバレー文化の元祖にしてカリスマVC、トーマス・パーキンスさん逝去

シリコンバレー文化の元祖にしてカリスマVC、トーマス・パーキンスさん逝去 1

投資家で技術者、経営者。

6月7日、AmazonやGoogleを育てたシリコンバレーの著名投資家、トーマス・パーキンスさんが亡くなりました。84歳でした。彼は単なる投資家ではなく、「シリコンバレーの父」とも言われる存在でした。

パーキンスさんは1972年、ベンチャーキャピタルのクライナー・パーキンス(後のクライナー・パーキンス・コーフィールド&バイヤーズ、KPCB)を設立し、黎明期のテック企業300社以上に出資して育てていきました。出資先にはAmazonやGoogle、AOL、Netscape、Compaq、Sun Microsystemsなどがあります。またバイオテクノロジー業界も早期から支援し、そのひとつであるGenentechではパーキンスさんが創業以来15年にわたって会長を務めていました。

パーキンスさんはスタートアップにただ投資するだけではなく、経営に積極的に関わっていくベンチャーキャピタルのあり方を定義したと言われています。そういう意味では、シリコンバレー企業の経営を支援しただけではなく、テック企業全体のカルチャーを作ったとも言えそうです。KPCBのパートナーであるコーフィールドさんとバイヤーズさんは、パーキンスさんについて声明でこう語っています。

トムはベンチャーキャピタル業界のパイオニアでした。彼は単なる資金提供を超え、起業家のビジョン実現を経営ノウハウで支援することで、現在のベンチャーキャピタルのあり方を定義したのです。

1932年生まれのパーキンスさんは、マサチューセッツ工科大学で電気工学とコンピュータサイエンスの学士号、その後ハーバードビジネススクールでMBAを取得しました。1963年にビル・ヒューレットとデイブ・パッカードに招かれてHewlett-Packardに入社、ゼネラルマネジャーとしてミニコンピュータの開発を率いるかたわら、個人的にレーザーの会社University Laboratoriesを立ち上げてもいます。技術と経営、そして起業という経験を自ら越えてきたことで、シリコンバレーの技術者や起業家たちの信頼を得ることができ、また彼らの求める役割を果たし続けることもできたのだと思います。

数多くのテック企業の成長を支え、率いてきたトーマス・パーキンスさん、心からご冥福をお祈りします。

Image: Wikimedia Commons

source: Bloomberg

(miho)