ライバルに囲まれなぜこのタイミング? YouTubeのモバイルライブストリーミング

ライバルに囲まれなぜこのタイミング? YouTubeのモバイルライブストリーミング 1

先週モバイルからライブストリーミング配信が可能となる新機能を発表したYouTube。まだその使用は一部ユーザーのみに限られていますが、Facebookなどがすでにモバイルライブ配信サービスを打ち出している中で、ライブ配信大手がようやく重い腰を上げた感があります。米GizのSophie Kleemanはこう書いています。

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木曜日にYouTubeが発表したのは、選ばれたユーザーへのモバイルライブストリーミング機能で、TwitterのPeriscopeやFacebook Liveのようなもの。

同社は「YouTubeではライブ配信がクールになる前、2011年からライブ配信を提供してきました」なんてブログ投稿とともに新サービスを発表しています。でもこれはまるで、浜辺でひとり立ち尽くしていたら、近くでフーディーを被ったお友達(ライブ配信サービスを始めちゃたSNS勢)がヨットに乗って煌びやかなパーティーをしている。このゆっくりと忍び寄ってきた恐怖にようやく気づいたことを必死に正当化しようとしているみたいな感じ。

YouTubeによれば、ライブ配信オプション(現在のところはThe Young TurksやAlex Wassabiといった影響力のあるYouTuberにのみ提供されている)は現在のYouTubeモバイルアプリから直接使えるようになるとのことです。

こちらがプレビュー画面:

ライバルに囲まれなぜこのタイミング? YouTubeのモバイルライブストリーミング 2

image: YouTube

YouTubeはこの新機能にとても興奮しているようですが、実のところそうなる理由があるんです。モバイルライブ配信能力があれば、自分たちが抱える10億超のユーザーをまったく新しい世界へ招くことができ、同時にクールでクリエイティブなチャンスとなるのです。裏を返せば、殺人テロ予告への危険も広がっていくわけですが...。興味深いことに、YouTubeはライブ配信をどう規制するのかについては言及していません。

YouTubeのライブ配信機能は、今のところ、コーチェラ・フェスティバル(訳注:毎年YouTubeは公式ライブチャンネルとして配信を行なっています)や大統領による一般教書演説といった大規模イベントやスピーチなどでしか意味をなさない存在です(つまり基本的にはこれまでのテレビ放送の代わりといったわけです)。

それがモバイルでも可能になるとすれば、理論上は誰だってこういったことができるようになるわけで、「より大勢の人がこのプラットフォームでライブ配信できる」という魅力的なものになるでしょう。YouTubeはモバイルライブ配信機能は「近日中に幅広くロールアウト予定」としています。

でもそれもあって、ビデオストリーミングの巨人であるYouTubeが、モバイルライブ配信にこんなに遅れてやってくるという状況はとても奇妙なものに思えてきます。Tumblrが急にライブ配信に興味を出してきたのもそうですが、YouTubeのモバイルライブ配信対応はまるで、2015年半ばにローンチしたPeriscopeや、ライブストリーミングにご執心のFacebookのマーク・ザッカーバーグCEOにより打ち出されたFacebook Liveなどのプラットフォームに対した、周回遅れの対応です。

YouTubeの具体的な将来計画はわかりません。モバイルライブ配信をプレミアムユーザーや独占コンテンツに限定するのか、しかしさきほどのブログ投稿によればそうはならなさそうですね。ではどうやってFacebookやPeriscope、Tumblrと競争するのか。YouTubeは売りは「並ぶもののないインフラ」だと豪語し、「ほかのどこよりも、より早く、より安定している」と語っています。

いい面をみるとすれば、大いに炎上するタール抗のようなYouTubeコメント欄を見るのはまさしく生中継の冒険となることでしょう。

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動画配信大手のYouTubeの持つ「より早く、より安定」したインフラで、先に出た競合モバイルライブ配信サービスに勝てるのか。そして現在は選ばれたユーザーしか使用できないこの機能が今後どれだけ「幅広くロールアウト」される予定なのか。より多くのユーザーが使うことで魅力も増すでしょうが、この点は悪質なライブ配信に対する規制とも絡んでくるはず。新たな報道の手段としても大きな可能性を秘めたモバイルによるライブ配信サービスに要注目です。

Top image by YouTube / Gizmodo

Sophie Kleeman - Gizmodo US[原文

(abcxyz)