準惑星ケレス、大量の液体の水がなければ存在しないはずの輝きの謎

準惑星ケレス、大量の液体の水がなければ存在しないはずの輝きの謎 1

どういうこと?

火星と木星の間の小惑星体で最大の準惑星ケレス。その表面の「Occator」クレーターには、ひときわ輝きを放つ謎のスポットがあると注目を集めてきました。NASAの探査機「Dawn」から送られたデータを最初に分析した時点では、あの輝きは塩の存在を示唆しているとの見解が発表。Natureにも、昨年末にマグネシウムの発見を支持する論文が掲載されていたのですが…。

このほどNatureに新たに発表された論文では、どうやら謎の輝きの原因は炭酸ナトリウムにあるとする分析結果を紹介しています。炭酸ナトリウムといえば、間欠泉より吹き出す熱水などに多量に含まれていることで有名です。地球を別にして、これほど多くの炭酸塩鉱物が存在している星は、ほかに見つかっていないとのことですね!

準惑星ケレス、大量の液体の水がなければ存在しないはずの輝きの謎 2

これは「ケレスに大量の水が存在していた証拠だ」そう結論づけたいところではありますけど、Nature Geoscienceには、探査機Dawnからの地勢図データを分析すればするほど、ケレスの水の存在が疑わしくなってくると発表されています。惑星の地下に水が眠っている可能性は非常に低いといいます。さらには、数kmの深さに達する巨大なクレーターが大量にあることは、ケレスの地表面を覆う氷の存在性が少ないことを示しているんだとか。

(Occatorクレーターに存在する)一連の鉱物資源は、液体の水が存在する環境でしか形成されない。ケレスで発見されたナトリウムは、太陽系内で、地球以外にこれほど豊富に存在する場所はほかにない量だ。

謎の輝きは、マグネシウムではなくナトリウムだとの分析結果を発表した、Astronomical Observatory of RomeのMaria Cristina De Sanctisさんは、このように語っています。そうはいうものの、現在までナトリウムを形成した液体の水が、いったいケレスのどこにあったのかを示す明確なデータが出てきていないことを認めているというのですから、なんだか不思議ですよね~。

これほど大量のナトリウムが、なぜケレスに存在するのかを説明するのは非常に困難だ。いまだにミステリーのままである。

今回の発表論文を受けて、当初は謎の輝きがマグネシウムだとの分析結果を紹介していた、Max Planck Universityの科学者のAndreas Nathuesさんも、このようなコメントを出しています。摂氏マイナス105度というケレスの地表面に、液体の水がないと形成されない炭酸ナトリウムが、どのようにして存在するようになったのか? この謎を解くことは、太陽系の誕生の秘密にたどり着くカギでもあるそうです。

まだまだ今後も、Dawnから届けられる観測データによっては、驚きの新発表が飛び出すことになるかもしれませんね。

images by NASA/JPL-Caltech

source: Nature

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)