置き忘れたスマホで911にかけ、誘拐犯逮捕。その証拠は有効か?

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この状況、あなたならどう判断しますか?

とある誘拐犯が、犯行現場に携帯電話を置き忘れました。警察はその電話で911番(日本の110番)に電話をし、犯人の情報を入手します。無事、犯人は逮捕されましたが、弁護士は「これらの証拠は破棄されるべきだ」と訴えています。なぜなら、拾った電話で911番にかけることは違法だからです。

誘拐事件の容疑者として逮捕されたMatthew Mullerは、事件現場に自身のスマートフォンを忘れました。警察はその電話で911番にかけ、発信や着信の履歴などを入手し、Mullerを逮捕したのです。

2014年、米最高裁は、正式な捜査令状なしに警察が個人の電話を捜査するのは違法である、という判決を下しました。しかしこれには、「子どもの誘拐」などの緊急時は除くという例外もあり、今回の事件でこの事項が当てはまるのかは、判断が分かれるところです。

そしてもうひとつの論点は、今回、警察は電話そのものを捜査したわけではなく、911の電話交換手に情報をもらったという点。

George Washington大学のOrin Kerr教授は、Washington Post誌に寄稿し、今回の問題点は、警察が犯人の電話から911にかけたことで得た情報が、個人を特定するものであったかどうかだと語っています。教授はまた、犯人は電話を忘れたというよりも放置しており、取り戻そうともしなかったため、所有権を放棄したとみなされてもおかしくない、とも指摘しています。

なかなか判断が難しい問題ですが、誘拐は重罪ながら、携帯電話に存在する個人情報の多さを考慮すると、今回の警察のやり方はやや悪手だったのでは、という見方もあるようです。

最初の裁判は現地時間24日に行なわれました。結審は来年の1月の予定です。

image by Getty

source: Sacramento Bee, Ars Technica

Angela Chen - Gizmodo US[原文

(渡邊徹則)