ウィリアム・バロウズ本人による小説「裸のランチ」朗読音声の魔力

ウィリアム・バロウズ本人による小説「裸のランチ」朗読音声の魔力 1

肉声と音楽が誘う奇怪な物語世界。

ウィリアム・S・バロウズが自身の代表作「裸のランチ」を朗読した未公開音源が、アルバム名「Let Me Hang You」としてリリースされました。

バロウズはその前衛的な作風で熱狂的なファンを多く獲得した文学界の巨匠カットアップ、フォールドインという技法を発展させ、ドラッグ感覚を小説に持ち込むなど、ビート・ジェネレーションを代表する作家であり、彼の破天荒な生き様は多くのロックミュージシャンや若者達から支持されました

「Let Me Hang You」に収録されているのはバロウズの晩年に録音された肉声です。90年代中頃に音楽プロデューサー、ハル・ウィルナーの依頼でレコーディングされたものの、楽曲化前にお蔵入りとなっていました。

そんな貴重な資料を私達が耳にすることができるのは、ウィルナーがカナダのミュージシャン、King Khanを招きプロジェクトを再始動したおかげです。音楽ジャンルとしてはスポークン・ワードに属するこのアルバム。バロウズの朗読をビル・フリゼールの実験的ギターウェイン・ホービッツのピアノアイヴィン・カンのヴァイオリンなど、一流の音楽が彩ります。

小説版、映画版に対してまさに音楽版「裸のランチ」とも言えるこのアルバムは、LPレコード、CD、デジタル音源で購入可能。バロウズの肉声にいざなわれて奇怪な世界に迷い込む体験には、危険な魅力が詰まっています。

Apple Musicでも配信されており気軽に聴き込むことがでるのですが、気付けば原書を取り寄せるほど夢中にさせられてしまう魔力を秘めたアルバムなのでご注意ください……。

image by King Khan

source: King Khan

勝山ケイ素