ジュノー木星軌道突入成功で浮かれるNASAの人+5つの驚き事実

ジュノー木星軌道突入成功で浮かれるNASAの人+5つの驚き事実 1

「これも御用済みだ!」

こう叫んで記者団の前で失敗時のマスコミ対応マニュアルをビリビリ破って万雷の拍手を浴びているこちらのお方は、NASA木星探査機ジュノー開発プロジェクトを総括するRick Nybakkenさん。そのあとにもマイルをドルと間違えて「いっけねーマイルマイル、怒られるーあははははー!」と終始ごきげんでした。

浮かれるNybakkenさん(動画4:40-)

太陽光を細々と動力に変え、5年かけて地球から27億kmの彼方まで飛んだジュノーが、アメリカ独立記念日の4日深夜(米時間)、無事軌道突入を果たしましたね。太陽電池の探査機では最遠到達記録を達成したジュノー。そのスゴさを5つの事実でまとめてみました。

人類未踏のスピード

ジュノー木星軌道突入成功で浮かれるNASAの人+5つの驚き事実 2

Image: NASA

突入の数週間前からジュノーは木星の重力にグイグイ引き込まれて、首の骨が折れるほどの加速を続けました。再接近時には地球に対して時速26万km、人工物の史上最速記録を突破する勢いだったようです。これはスペースシャトルの約10倍の速度に相当します。

そのまま突入しても真っ直ぐ飛んでフライバイバイ~になっちゃうので、35分のエンジン逆噴射で減速して重力に絡め取られてもらって軌道に乗りました。減速しても時速21万kmなので、惑星周回軌道突入としては過去最速スピード。こうして木星の雲頂になるべく近寄りました。

被ばくシェルター

ジュノーがいる辺りは磁場がすごくて電子機器がとても稼働できないような過酷な環境です。磁場が間断なく太陽風から荷電粒子を吸い寄せて、地球の何百万倍という、とんでもない強度の「放射線帯」ができちまってるんです!

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こんなチタン製の抗放射線保管庫を積んでいる。2010年5月19日。Image: NASA/JPL-Caltech/LMSS

そこで電子機器が狂わないように、ジュノーにはごっつい抗放射線保管庫を搭載しました。この種のものは初。重量180kg、大きさはSUVのトランクぐらい。こいつで覆えば放射量は800分の1まで減らせます。「こいつは本当にコストもかからない。ほかのミッションでも使えるはずだよ」と、Nybakken座長はギズモードからの取材に答えてます。

この金庫に収まらないセンサ類は局部的にタンタルで保護し、ソーラーパネルは特殊な抗放射線カバーガラスでコーティング。これだけのことをしてもなお、2018年2月のミッション完了までには歯科レントゲンを1億回受けるほど放射を浴びるっていうんだから、くわばらくわばら…。最後は木星にダイブして、ガスの花と散る運命にあります。

電波が恐ろしく届きづらい

ネットがつながりづらくてイライラしてる地球人のみなさま。ジュノーに比べたらまだぜんぜんマシですよ。NASAが具体的なデータを教えてくれました。ジュノーが「軌道突入に成功しましたっ(ピース)!」と木星から地球に連絡を送ると、その電波は地球人の着信の約10億分の1の強度でヨロヨロ届くんだとか。

なぜそんなに弱っちいのか? Harris Corporationの深宇宙ネットワーク事業マネジャーSonny Girouxさんによれば、「ジュノーが軌道に乗るときには本体を守らなければならないので、地球から見てあさっての方向を向く。だからシグナルはニューホライズンズに比べてずっと弱っちくなるんですな」とのことです。

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お~い。朗報を待ちわびるゴールドストーン深宇宙通信施設の70mアンテナ。Image: NASA/JPL-Caltech

今回、軌道突入の連絡は米カリフォルニア州と豪キャンベラ、2カ所の深宇宙通信施設で巨大アンテナを並べて待ち受けました。ジュノーの方角にぴったり寸分違わず傾きを合わせて。ジュノーのシグナルをキャッチするのは「カリフォルニアからワシントンDCの穴にホールインワン決めるぐらい大変だ」と、Girouxさんは言ってますよ(笑)

太陽の子

届く太陽の光は地球の25分の1。その暗い宇宙の彼方でも太陽光を動力に変えて動けるよう、ジュノーにはさまざまな工夫が施されています。なるべく多くの光を浴びられるように、幅20mの巨大ウィングに3枚の太陽電池パネルを据え、計1万8000個もの太陽電池を搭載しました。

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太陽電池パネルで光のテストテスト~。Image: NASA/Jack Pfaller

木星の日陰にならないように軌道も考え抜かれています。でも軌道突入のときはそういうわけにもいきません。「この1回のマヌーバーのときには機体を90度ターンさせて、太陽が当たらない状態にしなければならないんだ。でもその間も保つように電池のサイズは計算してあるよ。まあ、メインエンジン逆噴射が終わるまで油断はできないけどね」と、Nybakkenさんは突入前に語ってました

エンジン燃焼の魔の35分は始まったら最後、途中で修正は効きません。不具合が起こっても地球からシグナルが届くまで49分かかるので、届く頃にはすべてが終わっているからです。

無事完了のシグナルが届いてNybakkenさんが浮かれるのも、なるほど納得ですねーしみじみ。

みんな探査に参加できる

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2013年10月9日の地球スウィングバイの前にJunoCamが捉えた写真。Image: NASA/JPL-Caltech/MSSS

昨年ニューホライズンズの木星フライバイがネットでお祭りになったのに気を良くしたNASAは、このたびのジュノーでもアマチュア天文家が33回の接近でどの渦巻き雲の辺りを撮ったらいいか選べる投票サイト「JunoCam」を用意しました。ボイジャー探査機より視野はずっと広いので、太陽になりそこなった星のパノラマを雲頂の5,000km上の至近距離から見れますよ。詳しくはサイトでどうぞ。

Maddie Stone - Gizmodo US[原文

(satomi)