やくしまるえつこ、微生物のDNAに「人類滅亡後の音楽」をインストールしてKENPOKU ARTのテーマソングに

やくしまるえつこ、微生物のDNAに「人類滅亡後の音楽」をインストールしてKENPOKU ARTのテーマソングに 1

微生物に音楽を組み込むってどゆこと?

2016年9月17日(土)から65日間、茨城県北地域6市町の海と山を舞台に開催される、全く新しいアートの祭典、国際芸術祭「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」。そのテーマソングを、バンド「相対性理論」のボーカルであるやくしまるえつこが担当することが発表、今回その楽曲のテーマが明らかにされました。

キーワードは、「人類滅亡後の音楽」「遺伝子」「微生物」。

やくしまるえつこが今回の作品に込めた思いというのは、

「KENPOKU ART」が開催される茨城県北地域には自然と科学の深い結びつきがあり、それは人間のユニークな創造性によって深められ、多くのエネルギーを生んできた。

自然とともに科学技術を発展させることは、自然のもつ記録/DNAを読み解き、その意味する情報/遺伝子を人間ならではの科学技術や芸術に置き換えて伝えていくことでもある。そしてそのさいに発生する/させる変異には大きな生命力――存続のためのエネルギー――が宿る。

このように様々なエネルギーをもつこの地の海と山には、古くかららん藻(シアノバクテリア)の一種である微生物「シネココッカス」が生息している。

この微生物の塩基配列を組み込んだ楽曲を制作し、さらにその楽曲情報をコドン変換し、DNAを人工合成してこの微生物の染色体に組み込む。楽曲そのものはもとより、この遺伝子組み換え微生物そのものを「KENPOKU ART」のテーマソングとし、新しい音楽――伝達と記録、変容と拡散――の形を探る試みである。

この音楽をDNA情報にもつ遺伝子組み換え微生物は自己複製し続けることが可能である。いつか人類が滅んだとしても、人類に代わる新たな生命体がまたその記録を読み解き、音楽を奏で、歴史をつなぐことになるだろう。

芸術祭のテーマソングだというのに、何だかぶっ飛んでいて意味がわかりません。

そこで関係者筋から、楽曲情報を微生物のDNAに組み込むということが何なのか、教えてもらいました。そしてこう解釈しました。

やくしまるえつこ、微生物のDNAに「人類滅亡後の音楽」をインストールしてKENPOKU ARTのテーマソングに 2

…なんとなく、イメージできれば幸いです。

ちなみに、シネココッカスという微生物のDNAに音楽を組み込むのは前例がなく、遺伝子組み換え体の取得まで1ヶ月〜1.5ヶ月を要するそうです。(ちなみに大腸菌だと比較的簡単で、2週間でできるとか)

やくしまるえつこの曲の情報を遺伝子に組み込まれたシネココッカスという微生物そのものが、芸術祭のテーマソングになります。そしてこの微生物は芸術祭の会期中、東京の渋谷区道玄坂のFabCafe MTRLにて展示される予定。

どんな展示になるんでしょうね、シャーレに入った微生物を顕微鏡で見たりするのかな?

でも実際の曲はどうやって聞くの、まさかその微生物を買ってDNAを解析して曲を取り出せというわけじゃないよね…と不安になることなかれ、楽曲は芸術祭スタートと同日の9月17日に世界同時楽曲配信、会期中の茨城県北エリアの随所でも聞くことができるでしょう。

音楽をDNAに組み込まれた微生物は、自己複製し続けることができるので、最強にして最長の音楽媒体になるはず。つまり人類が滅亡しても、このDNAを持つ微生物は生き続けるならば、この楽曲は永遠に不滅である…そういうコンセプトなのでしょう。

音楽記録媒体は、レコードからCDへ(MDとかもあったけど)、そして今はMP3などのデジタル音源が主流ですが、次世代は微生物になるかもしれませんね。いや、ならないかもしれませんが、こういった実験を通して、新しい体験の示唆と問いを与えてくれるのです。

ちなみに、やくしまるえつこって誰という方に、バンド「相対性理論」の最新曲の動画をどうぞ。

彼女のサイトが面白いので、ぜひご覧ください。

source: KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭やくしまるえつこ相対性理論

(mayumine)