自動運転車が改善する未来の都市

自動運転車が改善する未来の都市 1

自動運転車が普及した未来。まだ不安を感じるという人も、期待できる変化としてはどんなことが思い浮かびますか?

単に乗り物がドライバーレスになるだけではなく、自動運転車が走る未来の「街」と利用する人々の「生活」を見直すきっかけとして、アメリカでは新たなステートメントが先月公開されました。またそれと同日に政府主導の自動運転シャトルが試験導入される地域も発表されて、自動運転車が走る未来がまた少しずつ近づいてきているようです。

過去3年のあいだ、米Gizmodoで少なくとも週に1度は自動運転車に関する記事を書いてきたというAlissa Walker記者。「自動運転車」という言葉に未来のインフラに対する不安をすべて詰め込んだかのような否定的な見方がある一方で、最近では世の中の意見が徐々にポジティブにシフトしつつあるように感じているそうです。

たとえば自動運転車の安全性を追及するうえで、いざというときにドライバーと通行人のどちらの命を守るか、最悪のシナリオを想定した倫理的な問題や、さまざまな自動運転システムが街中を行き交う未来で道路は誰のものになるのかという視点のほか、ハッキングのリスクなど…まだまだ向き合うべき課題があるのも事実。

自動運転車が改善する未来の都市 2さまざまな民間企業が開発した自動運転車が道路を共有する未来では、パブリックだった道路を支配するのは人でなくロボットたちになるのでしょうか(Image: The Atlantic)


ロサンゼルス・タイムズでは、市が公共交通機関に巨額を割くことは浪費になるのではないかという議論が掲載されています。これは街中すべての車が自動運転車に移行する近い未来を見据えた、きわめて現実的な意見。

地下鉄や高速道路などいまある交通網が普及したのは20世紀半ばのこと。自動運転システムが街に普及する未来では当然、車だけでなく走行するインフラについても考え直す必要があります。

6月23日に、自動運転システムのための政策論を発表したのはNATCOとよばれるアメリカで40以上の主要都市にある全交通機関に対してベストプラクティスを共有している交通当局。

声明によると、アメリカがこのまま完全に自動運転車に移行することのほか、乗り物に限らず道路のデザインを完全に変更することも推奨していて、自動車以外の交通システムとの便の良さも視野に入れながら、より良い街づくりを提案しているようです。

「自動運転車は、私たちの街をリセットさせるうえでたった一度のチャンスをくれる。安全面や混雑、移動のしやすさなど、交通上の基礎部分を見直してこれまでにないほど街が成長する機会となるだろう」と、語るのは安全で効率的で快適な道路づくりの実現で高い評価を受けるNATCO代表のJanette Sadik-Khan。これについてAlissa Walkerは、これまで地球の未来に悪影響を与える危険な自動車を走らせてきた道路を「リセット」することは大きな意味があるといいます。

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アメリカ初の自動運転シャトル(Image: EasyMile)


NACTO がレコメンデーションを公開した同日、USDOTは自動運転など新たな交通テクノロジーの実験地として78の候補からオハイオ州コロンバスを選んだことを発表しました。

これは政府主導で最初に行なわれた自動運転車を利用したプログラムとして、経済的な理由などで車を持たない人を職場や学校へ送迎する自動運転シャトルとなるほか、緊急救急車両として、街が抱えていた問題のひとつ、幼児の死亡率の高さを改善させることも期待されています。

人間が運転する自動車は、毎年4万の人々の命を奪っています。もともと交通事故を減らすための技術的なソリューションとして開発された自動運転車。交通事故を防ぐだけでなく、緊急車両として人の命を守ったり、より便利で快適な生活を支えたりする役目も任されることになります。

NATCOが示唆するのは、自動運転車によって単に自動車のドライバーを人から自動に切り替えるだけでなく、私たちのこれからの生活行動をゆっくりと変わること。インフラや交通ルールなど大きな変化をどのように取り入れるかが難しくも重要なところですが。

こうした変化は新たなテクノロジーを採用するときにはつきもの。とはいえ腕にスマートウォッチを装着したときの私的な人生経験とは違って、もっとパブリックなもので新たなルールやポリシーも増えたりするわけです(そしてその結果は選べるとAlissa Walkerは訴えています)。

Top image by Total Recall

Alissa Walker - Gizmodo US [原文

(Rina Fukazu)