サンフランシスコのホームレス支援アイディア ベスト&ワースト

サンフランシスコのホームレス支援アイディア ベスト&ワースト 1

深刻なホームレス問題に悩まされているサンフランシスコのベイエリア。先日、同地区では行政や政治家たちにその問題に取り組んでもらうため、メディア各社が協力し、丸一日、各紙でホームレスにまつわる報道をするキャンペーンを行ったのでした。

このキャンペーンで街中をホームレス問題一色にするべく、新聞社、ブログメディア、ラジオ局やテレビ局などのマスコミ各社の編集者たちは先々月から準備していたとか。その甲斐あって、年表形式やインフォグラフィック、フォトエッセイに動画を介して、路上で暮らす老若男女の胸が張り裂けるようなストーリーが集まりました。公開された記事の多くはSan Francisco Chronicleのサイト内のコーナーにまとめられていますし、#SFhomelessprojectからも確認できます。

 

このキャンペーンではただ問題を提起するだけでなく、路上生活をする人々の数を減らすためのさまざまな支援計画も取り上げられていました。米GizmodoのWalker記者の目に留まった、とても革新的なアイデアや迷案をご紹介します。

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移動式シャワーの提供

このプロジェクト自体は目新しくありませんが、注目を集めました。Lava Maeとは街中を巡回し、トイレや温かいシャワーを提供する改修されたMUNIバスのこと。バスは給水栓から水を供給し、寄付されたサニタリー類を配ります。

「ホームレスというだけで不完全な人間として扱われる」

「家のない人生がどんなものか知ってもらいます」

「#SFHomelessProjectでホームレスについての話をシェアしています」

「これらのシャワーユニットで衛生と人間らしさを取り戻せます」

ホームレスにこのような衛生設備を使用してもらうことで、思いやりのある公共サービスを提供できるだけでなく、ホームレスでも学校に通ったり仕事の面接を受けたりすることに対して、もっと自信を持てるようにもなるかもしれません。[SF Gate, Lava Mae, AJ+]

コミュニティ・コンピュータ・センターを開設

大手コミュニティサイトCraigslistの創業者Craig Newmarkは、ホームレスへのサービス施設が多くあるテンダーロイン地区にコミュニティ・コンピュータ・センターを開設しています。テンダーロイン・テクノロジー・ラボでは、無料のインターネット・アクセスとキャリア・カウンセリング、さらにはパソコン修理などのテック関連の訓練クラスを提供しています。[CNBC]

住む場所がない問題と抱き合わせで依存症の問題に対応

ほとんどの都市では、依存症の更生プログラムを卒業してクリーンになった居住者のみをサポーティブハウジングに受け入れます。もしそこで依存症が再発すれば、路上に戻ることになります。しかしHousing Firstという名のより急進的なアプローチでは、ホームレスたちは通過施設に入ってから、各々の依存症問題の克服に取り組むんだとか。このアプローチは、慢性的に住居のない人々がほぼ片づいたソルトレークシティで支持されたことで知られています。

「シアトルの"Wet House"はアルコール依存症のホームレスが泊まって酒を呑み続けられる場所。ここ(サンフランシスコ)でもうまく行くと思う?」

アルコール依存症者のためのこういった施設は“wet house”もしくは“bunks for drunks”と呼ばれており、サンフランシスコにとってモデルとなりうるシアトルの施設をABC7が訪ねています。依存症を解決しようとする間の居心地のよい住処を提供してくれるだけでなく、犯罪に晒されていない、飲酒するのに安全な場所を提供してくれるという理由で入居者たちはこのプログラムを絶賛しています。さらにネタ元によれば「このプログラムの平均的な居住者は、入居の前年には約8万ドル分の公共サービスを得ていたが、入居後はその半額分になった」とのこと。残念ながらサンフランシスコのEd Lee市長は反対していますけどね。[ABC7]

アルゴリズムに基づいて入居させる人を決める

Mother Jonesはテック業界と住む場所がない問題とをキャッチーな見出しで結びつけています。「このシリコンバレーのアルゴリズムに、どのホームレスが住居を得るかを選べるのか?」という見出しは、住居を割り当てる人を決めるのには奇妙で冷たく確定的な方法に聞こえます。しかしこのアイデアは、予防治療のためにお金を掛けることで、後に掛かる医療費を減らせるというロジックに似ています。

このアルゴリズムはSilicon Valley Triage Toolと呼ばれ、何百万ものデータを参照して、緊急治療室や病院や刑務所などの公共サービスを最も使うのはどのホームレスかを予想します。こういった費用のかかる人たちを、このプロジェクトの調査員たちが特定し、そのうちの1,000人をただちに入居させることで年に1,900万ドル以上ものコストを削減できるとか。その資金は、より多くのホームレスの人に住居を提供するのに使えます。

その研究の見積もりによると、慢性的なホームレスには年間で平均8万3000ドルのコストがかかるそうで、住居をあてがうよりもずっと高額なんだとか。公共サービスを通じて市の資金を使う可能性の高い個人を選んで入居させれば、市はより長期的な解決策へつぎ込むのに十分な資金を貯めることができます。[Mother Jones]

補助金付き賃貸のためのバウチャーの配布

セクション8という連邦制度は、低所得の居住者が指定の公営住宅だけでなくどんなアパートメントにも、市場価格よりも最大で70%低い家賃で住めるようになるバウチャーを配ることで知られています。多くのコミュニティでは成功してきましたが、このプログラムは連邦レベルで資金不足であり、ベイエリアの多くの大家はバウチャーの受け取りを拒否しています。[Fusion]

ホームレス問題をゲーム化

寝泊まりする場所を求めるホームレスを主人公にして選択肢を選んでいくスタイルのこのゲームでBuzzFeedは、プレイヤーに感情移入させたいんだと思います。

 

「#SFHomelessProjectの一環としてこのシミュレーションを試してみて。サンフランシスコで一晩泊まれる場所を見つけられるかな?」

このアプローチを通して緊急シェルター不足を指摘しようとしているのはわかりましたが、やり方として無神経に思えました。[BuzzFeed]

もっと住宅を建てる

極めて明白な解決策ですが、住宅を増やすとなると市は乗り気じゃないようです。これはCoalition on Homelessnessによる予算案で、市には恒久的な住宅供給の解決策のために持続可能な財源が必要だとか、一刻も早くホームレスに住む場所を与えるべきだといった財政上のガイドラインが記されています。[48hills]

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支援計画といっても、そのアプローチの仕方は実にさまざま。各メディアが報じたことで、行政や政治家たちも重い腰をあげてホームレス問題に取り組むことになるのでしょうか。

Alissa Walker - Gizmodo US[原文

(たもり)