いまさら聞けない自動運転技術! 日産セレナの「プロパイロット」に早速乗ってきた

いまさら聞けない自動運転技術! 日産セレナの「プロパイロット」に早速乗ってきた 1

ファミリーカーにこそ欲しかった機能、それが自動運転技術。

日産が売れ筋ミニバン「セレナ」に導入するのは自動運転技術「プロパイロット」。

簡単にいうと、渋滞している高速道路だったら選手交代、代打「プロパイロット」の登場。ドライバーはクルマを監督するだけでいいんです。

プロパイロットはここがすごい

単眼カメラの画像認識技術により車線や前走車を把握することで、設定された速度で走行できるオートクルーズ機能に加え、車間距離を保ちつつ速度を調整することが可能となりました。

つまり、100km/hで走っていて渋滞になって速度が落ちたら、ぶつからないように自動的に速度を落とし前走車についていってくれるんです。渋滞でいったん止まっても数秒なら自動で、3秒以上長くとまるようならドライバーが安全確認のうえ、ステアリング上のボタンを押すだけで再発進します。

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さらに車線中央を走るようにステアリングも自動で操作、コーナーの多い日本の高速道路、特にコーナーのきつい首都高速でもクルマ側がハンドルを操作、車線をキープしてくれるんです。

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ステアリング、ブレーキ、アクセルすべてを連携、自動化したのは日本初とのこと。

「自動運転」と自動運転技術の違い

昨今何かと話題の「自動運転」。その言葉のイメージから受ける印象はロボットカー、ドライバーいらず。ロボットで例えるならばアトムのように自律的に動作するのが完全な自動運転

この自動運転はレベル分けされており、ドライバーレスで自律的に走行可能な完全な自動運転を「レベル4」、アクセル・ブレーキ・ステアリングすべてを自動車が制御し緊急時のみドライバーが操作するものが「レベル3」、そのうち複数を制御するものが「レベル2」、ひとつだけの制御が「レベル1」となっています。

現在の自動運転技術はまだレベル2程度なので主体はドライバーにあり、あくまでも「プロパイロット」はサブドライバー、飛行機でいえばコ・パイロットです。だから何かあれば対応するのはドライバー本人だし、もちろん事故責任もドライバーにあります。

自動ブレーキとの違い

いわゆる自動ブレーキと言われている「被害軽減ブレーキ」は緊急時に自動車が警告、ドライバーにブレーキ操作を喚起し、ドライバーが回避操作をしない場合はシステムがブレーキを強くかけることで衝突被害を軽減するものです。

一方で「プロパイロット」は前のクルマについていくためのアクセル、ブレーキ操作をするものなので、逆に制動Gや加速Gは非常にマイルドで、いわゆる「急ブレーキ、急加速、急ハンドル」など急がつく操作をしない上品なもの。そうしないと同乗者が酔っちゃうし、不機嫌になりますからね。

だから緊急時の急ブレーキである被害軽減ブレーキとは、まったく性質が違います

さまざまなセンサーと画像認識技術

マイルドな運転と急ブレーキ。制御はそれぞれ異なれど、センサーは共通化することで効率化を図っています。自動運転技術で一般的に使用されるセンサーはミリ波レーダー、レーザーレーダー、赤外線センサーなどありますが、プロパイロットの場合はモノカメラだけ使っているので効率的。モービルアイ社の技術を活用、独自に画像解析技術を融合することで、コストを抑えて高機能を実現しました。

モノカメラの弱点は人間の目で見にくい場合には、やっぱりカメラでも認識しにくいという点。逆光や霧、大雨といった視界が悪いときにはどうしても認識しにくくなります。悪天候時は特に慎重に

実際に乗ってみました!

論より証拠、この「プロパイロット」を装備した日産セレナに試乗させてもらいました。

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プロパイロットの操作は簡単、まず「プロパイロット」ボタンを押して起動、そのあとオートクルーズと同じく「セット」ボタンを押して動作開始。速度設定はオートクルーズ同様100km/hまで設定可能、3段階の車間設定ができ、左右の白線を認識するとインジケータが緑色にかわりステアリングが自動で動いてクルマを車線の中央にくるように操舵してくれます。これは新感覚!

ハンドルを軽く触っているだけでも、ハンドルがクイクイとコーナーの曲率にあわせて曲がっていくのです。もちろん速度調整も自動、ペダルから足を離していても大丈夫です。

アメリカのフリーウェイで丸1日ドライブしたときオートクルーズをよく使ってましたが、ステアリングは操作しなければならなかったのでそれはそれで大変でした。この「プロパイロット」であればコーナーでも曲がってくれるし、前走車がいたり、交通の流れが悪くなったり、渋滞したとしてもずっと継続して制御してくれるので圧倒的に運転が楽になります。

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特に長距離運転、お盆やお正月、ゴールデンウィークの帰省ラッシュ、毎日の通勤渋滞で威力を発揮しそう。

居眠り、ながら運転はダメ!

便利すぎて「自動運転ウェーイ!」ってなりそうですが、あくまでも運転支援。緊張感がないからって居眠り、スマホいじってよそ見運転はダメ、絶対ダメ。

というのもたとえば居眠りしてステアリングから手を離してしまったら、まずは警告、その後プロパイロットは自動でOFFになるから。つまり普通のクルマ同様、居眠りしたらそのままどかーんとコースアウトです。これは気を失っても同様で、だから常にプロパイロットの動作状況を表示、知らせてくれているんです。

システムはしょせん機械、万能ではありません。あくまでも補助的な機能だということを理解して、うまく活用するのが現時点での賢い使い方。手を離すどころか助手席や後部座席に移動したりするエクストリーム運転がアメリカで流行りましたが、絶対にダメですからね。

行先はKITT?

今回は単一車線に対応したプロパイロットを導入しましたが、日産は2018年にバージョン2で複数車線、ウィンカーによる車線変更対応、2020年のバージョン3では市街地、交差点に対応していく予定です。共通するのはドライバーの運転負荷を軽減し、安全を促進するということ。

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今回試乗して思ったのですが、技術技術していてまだ遊びココロが足りないということでしょうか。iPhoneの Siriも音声認識、人工知能との会話を楽しむといったことがありましたが、ナイトライダーのKITTのようなキャラになるとより運転支援や自動運転に親近感がわくんじゃないでしょうか?

マイケルもナイト2000を自ら運転していたし、KITTはあくまでもコ・パイロット。日産プロパイロットもお茶目でウィットの効いた返しをしてくれる未来があるでしょうか。今後の発展が楽しみです。

なお「プロパイロット」搭載のセレナは8月頃登場予定。試乗車も用意されるとのことなので、ぜひ体験してみてください。

source: 日産:セレナ

(野間恒毅)