プライバシーの勝利。通称スパイ装置「スティングレイ」での証拠が採用されず

プライバシーの勝利。通称スパイ装置「スティングレイ」での証拠が採用されず 1

これが前例となっていきます。

スティングレイ。携帯電話の通話やテキストメールの盗聴のために、FBIなどが使用する装置。詳しいところは明らかにされていない、なぞのスパイマシンです。アメリカで、そのスティングレイで収集された情報が、初めて裁判で証拠として採用されないケースが発生し、プライバシーの大勝利だと注目を浴びています。

これまで、FBIなどの法執行機関によってスティングレイは活用されてきました。仕組みは、ダミーの携帯電話基地局のようなもので、通話やメールなどのデータを執行機関へと送信します。が、その全容はトップシークレットで公にはされていません。秘密を漏らさないかわりに、犯罪者を無罪放免にするケースがあったほど。一方で、一部の法専門家からは、(特に断りなく使用された場合)著しく国民の権利を侵害していると批判の声があがっていました。

昨年9月、米麻薬取締局はスティングレイを使い、麻薬密売容疑がかかっていた、Raymond Lambisの部屋の位置を割り出しました。この情報が証拠として裁判所に提出されたのですが、ニューヨーク州南部連邦地裁は、これを採用せず。William Pauley裁判官は、「令状なしで、市民の携帯電話をトラッキング端末としてはいけない」と述べました。

携帯の通話記録は、令状をもって携帯キャリア会社などの第三者機関を通じて得ることができます。今回、裁判所はここを争点とし、スティングレイは第三者機関を介さないことから、盗聴に近いものだと判断したわけです。

これで、スティングレイが使われなくなるわけではありません。しかし、これが前例となり、今後、スティングレイのような仕組みを使うとき、ためらいは生じるでしょう。証拠として採用されなければ意味がないですから。テクノロジーによるプライバシー侵害の可能性を1つ潰したとでも言いましょうか、手綱をきつく持ち直したとでも言いましょうか。デジタル世代に法律が追いついた1つの例と言えるのではないでしょうか。

image: US Patent and Trademark Office

source: Reuters

William Turton - Gizmodo US[原文

(そうこ)