映画監督たちによるスローモーションの美学

映画監督たちによるスローモーションの美学 1

いろんなシーンで効果的。

スローモーションの映像は数多くの映画に取り入れられ、その使われ方も実にさまざま。

ある時は、アクションシーンの効果を高めるために。またある時は、2人の登場人物の愛を観客に伝えるために。ドラッグを使っている時の感覚を再現することも。ほかにも、超能力のすごさを観客に見せつけるのにも有効です。

YouTubeチャンネルのThe Discarded Imageの創設者であるJulian Palmerさんが投稿した動画エッセイでは、映画監督たちが自分の作品にどのようにスローモーションを取り入れているかを分析しています。

マーティン・スコセッシは、登場人物の頭の中を観客に見せたい時に、よくスローモーションを使います。このスローモーションのおかげで、観客はその人物が目にしているものを見ることができるのです。たとえば映画「タクシードライバー」では、主人公の視線の先をスローモーションで映すことで、彼の差別意識を観客に伝えていて、ほかの映画では、嫉妬心や登場人物が恋に落ちた瞬間をスローモーションで表現しています。

ウォン・カーウァイは、スローモーションと音楽で相乗効果を生み出し、また登場人物の愛を渇望する気持ちを効果的に見せるために活用している様子。

クエンティン・タランティーノは、スローモーションで人物を登場させ、彼らをクールに見せるのです。同時に、スローモーションでとらえられたキャラクターを見ながら観客は、来るべき殺し合いのシーンで、果たしてこの中のだれが生き残るだろう?と考えるのにも一役かっています。

また、ウェス・アンダーソンもスローモーションを多用する監督の1人です。彼は、観客が自分の見たものについて考えをまとめ、消化できるようにスローモーションを使います。また、観客が「終わってほしくない」と願うであろう映画のラストシーンにもスローモーションを取り入れているようです。

様々な映画作品で登場人物の「最期のシーン」がスローモーションで描かれることがありますが、なぜこういったシーンでスローモーションが活用されるのか、Julian Palmerさんはその理由を語りながら動画を締めくくっています。

登場人物の尊い命が失われる瞬間、観客は無力で、それをただ見ているしかないのですから。

Palmerさんによる動画エッセイには、このほかにもたくさんの映画のスローモーションシーンを紹介しています。ぜひチェックしてみてください。

source: YouTube

Casey Chan - Gizmodo SPLOID[原文

(鈴木統子)