米国の国家情報長官が作った旅行者向けビデオが怖い

米国の国家情報長官が作った旅行者向けビデオが怖い 1

「旅行先ではプライバシーはないと思えぇ!」

アメリカ国家情報長官室が制作した旅行者向けのビデオ、旅行先でのデジタル・プライバシーに関して注意を喚起しています。

政府が作ったビデオなのでやはりどこか古臭いのですが...気になるのは仕上がりよりもその内容。

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旅行先の空港でパスポートを出すと、コンピュータには「監視開始」と赤字で表示されます。

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宿泊先の受付の女性、パスポートを見て表情が一瞬曇ったかと思うとすぐに笑顔に戻ってパスポートを返してくれます。...ですが、アメリカ人男性が受付から去った後、すぐに彼の部屋番号をメッセージで送信します。送り先は「Unknown(不明)」と表示。

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外で革ジャンを来て壁にもたれていた強面の男性は部屋番号のメッセージを受け取ります。

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一方、部屋で外出の準備をしている男性、もちろん隠しカメラで監視されています。男性が部屋に備え付けの金庫にiPadなどを入れて出ていくと...

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先ほどの革ジャン男性が部屋にすんなり入っていきます。金庫を開けて、iPadに入っている情報をダウンロードします。

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とこんな具合に情報が盗まれるから気をつけようね!というビデオなのですが、全体的にディテールが雑すぎて突っ込みどころ満載になっています。

もちろん、政府役人でなくても企業情報などを狙った産業スパイもいるわけですし、一般人もこういったハッキングに気をつけないといけないことは確かなんですが...

ビデオではここで「良識を持った」男性が登場し、旅行で注意しなければいけないことをアドバイスしてくれます。

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彼のアドバイスを並べてみると...

  • 旅行先に持っていく電子デバイスは最小限にしよう
  • 使い捨ての携帯電話を旅行先で手に入れてそれを使おう
  • 旅行期間中だけのEメールアドレスを作って使い捨てにしよう
  • 旅行の計画をソーシャル・サイト上で投稿しない
  • 旅行先がどこであれ警戒しよう
  • たくさん質問をしてくる見知らぬ人には警戒しよう
  • 電子デバイスは常に持ち歩こう
  • 旅行先ではプライバシーはゼロ。あなたのコミュニケーションは全部見られてるかもしれない
  • ホテルの金庫は信頼できない
  • 旅行するときはプライバシーがあるなんて思わないように。ホテルの部屋の中でもプライバシーはない
  • 仕事関係のメールの添付ファイルは開けちゃだめ
  • 旅行中はプライバシーがないって言ったっけ?
  • という具合です。怖いです。プライバシーはとにかくゼロなようです。

    セキュリティー対策としては重要なのかもしれないですが、マーク・ザッカーバーグならまだしも一般人全員にここまでの警戒が必要なのか疑問です。

    ビデオには「それよりもアメリカ政府による市民に対するスパイ活動のほうが心配です」や「ここまで連携を取ったスパイ活動の被害に遭うより、電子デバイスを持ち歩いてスリに遭う確率のほうが高いよ」といったコメントがたくさんついています。「これは勉強になった! 気をつけないとね」という反応は、見当たりません...。

    source: Know the Risk by Office of the Director of National Intelligence / YouTube

    (塚本 紺)