2016年はアニバーサリーイヤー。NASAの火星探査計画「バイキング」のデータをデジタル化する試みが進行中

2016年はアニバーサリーイヤー。NASAの火星探査計画「バイキング」のデータをデジタル化する試みが進行中 1

40年前も、今も、火星への興味は尽きません

NASAの火星探査機バイキング1号、2号の着陸船が火星表面への軟着陸に成功してから早40年。バイキング計画のデータをデジタル化する試みが進んでいるとNASAが発表しました。

バイキング計画で収集されたデータの多くはマイクロフィルムに保存されているため、ほとんど使用されることもなく、一般の人が簡単にアクセスすることはできません。NASAはアポロ11号計画と同じようにバイキング計画のデータもより開かれたものにしたいと考えているようです。

ゴダード宇宙飛行センターNASA Space Science Data Coordinated Archive(NSSDCA)のDavid Williams氏がデジタル化を考えるようになったのは、2000年代初めに受けとった1本の電話がきっかけでした。電話の主はAmerican University of the Caribbean School of Medicineで薬理学を研究するJoseph Miller教授。彼は火星に生命が存在するかどうかを研究するため、バイキング計画の実験データを必要としていました。この電話を受けたWilliams氏は、データの重要性を強く感じたといいます。

初めてマイクロフィルムを手にしたとき、「我々は素晴らしい事業を成し遂げたにも関わらず、残したのはこれだけだ。」と感じたんです。「マイクロフィルムに何か起きてしまったら、我々は永久にすべてのデータを失ってしまう。誰かに貸して紛失されてしまったら一貫の終わりになってしまう。なぜならこれしか残っていないのだから。」

先日無事に復活した探査機「キュリオシティ」は今も火星から地球にデータを送りつづけ、2020年には新しい探査機の打ち上げも予定されています。まだまだ火星の謎を解き明かす試みがつづいていくなかで、バイキング計画で収集したデータの価値が再認識されていくことは間違いなさそうです。

当時バイキング計画で収集したデータから科学者が導いた結論は、「火星に生命は見当たらなかった」というものでした。ちなみに先ほどのMiller教授はバイキング計画のデータを分析し、2001年「火星に生命が存在する可能性が高い」と発表しています。

探査機キュリオシティが搭載している装置Sample Analysis at Mars(SAM)は、火星に有機体が存在する証拠を探しています。この装置もバイキング計画の実験がもとになっています。このように現代のテクノロジーに合わせてデータを保管していくことで、さもなければ忘れ去られてしまう貴重な情報を未来に残していくことができるのです。

Danny Glavin氏は次のようにデータの重要性を語ります。

バイキング計画のデータは40年たった今でも有益なものです。SAMについても同じ。人々がデータにアクセスできる形にしておくことで、50年後の科学者たちがそこに立ち返ることができるのです。

source: EurekAlert via NASA

Carli Velocci- Gizmodo US [原文

(Haruka Mukai)