米消費者情報誌が「Teslaの自動運転は誤解を招くから呼び方を変えろ」と要求するもTeslaが反論

米消費者情報誌が「Teslaの自動運転は誤解を招くから呼び方を変えろ」と要求するもTeslaが反論 1

Tesla Motorsは反論。

毎月の発行部数約400万部を誇るアメリカの情報誌「コンシューマー・レポート」。製品の性能や安全性などを調べて発表するランキングは非常に人気で、その影響力は自動車業界においてもとても大きいとされています。

そのコンシューマー・レポートがつい先日、Tesla Motorsの「自動運転」機能について「Tesla's Autopilot: Too Much Autonomy Too Soon」というヘッドラインで4つの提案を掲載しました。要求は以下のようになっています。

1. ドライバーがハンドルに手をのせていない限りは自動運転が使えないようにプログラムし直す

2. 「自動運転」という呼称は誤解を招き潜在的に危険を生むので止める

3. 所有者たちにシステムの適切な使用法と限界についてより明確な説明をする

4. 一般に公開する前に全ての安全システムについて完全にテストする:ベータ版を公開しない

Teslaの「自動運転」モードでの走行中の死亡事故で、安全性に対する懸念が高まっていることを受けての要求となっています。

コンシューマー・レポートはレポートの中で、Teslaが自社のプレスリリースでは「自動運転がやって来ました(Your Autopilot has arrived)」という文言を使い、ドライバーたちを運転の退屈さや危険から解放することを約束している一方で、同じプレスリリース内で「車と究極的には運転の責任はドライバーにあります」と述べていることに指摘します。

この二つは矛盾したメッセージじゃないか、とコンシューマー・レポートは批判しています。この車は自動運転しますよ、と言っていながら「瞬時に判断してドライバーが運転を引き継がないといけないですよ」と言っているのは消費者に混乱を招いていると。

確かにここの表現は難しいところです。

「半」自動運転テクノロジーを採用しているメーカーはたくさんあるものの、Teslaの導入方法とマーケティングは独自のものであり、他と比べてアグレッシブである、そして「Teslaはドライバーが手をハンドルから長期間離すことを許してしまう唯一のメーカーである」というのがコンシューマー・レポートの言い分です。

コンシューマー・レポートの消費者ポリシー・モービライゼーション・バイス・プレジデントであるLaura MacCleeryさんは次のように言っています。

彼らの機能を「自動運転」(Autopilot)とマーケティングすることでTeslaは安全性に関して誤った理解を消費者に与えてしまっています。

長期的に見れば、先進的な安全性テクノロジーがアクティブに機能することで、道路がより安全になる可能性はあります。しかし現時点では、(安全性が)実証されていないテクノロジーによる”機能”を消費者が購入させられていることに私たちは深く懸念を抱いています。

「自動運転」は実際に車を運転することはできない。にも関わらず消費者が何分間もハンドルから手を離すことを許してしまっています。Teslaはドライバーの手がハンドルを握っていることを確認できるプログラムをアップデートするまで、自動でハンドルを切る機能を停止すべきです。

またTeslaが「ベータ版」だという「自動運転」機能を一般に公開している点にも批判を加えています。

消費者は車の「ベータ」プログラムの安全性のための実験体になることは決してあってはいけません。

これらの要求をコンシューマー・レポートがTeslaに提出したところ、同社からは以下の反応がEメールで返ってきたそうです。

Teslaは常に改善を繰り返しています。自動運転が、その機能が無い状態での運転よりも安全であるということを確実にするために、何百マイルものテストを行ってきており、それが証明されています。

私たちはテクノロジーが発展するのに合わせてこれらの改善点を継続して開発し、実証し、公開していきます。個人・組織からの善意のアドバイスはどれも有り難く受け取る一方で、私たちは現実世界のデータに基いて決定を下します。メディアの推測に基いて決定を下すことはありません。

おおー強気!

コンシューマー・レポートが何を言おうと、Tesla Motorsは自社データの方を信頼してますよってことですね。現時点で自動運転による総走行距離は1億3000万マイル(約2億1000万キロ)。けれど死亡事故は1件とも追記しています。通常の運転ならもっともっと死亡事故が起きてると言いたいわけですね。

「ベータ版」という名称についても、「Teslaにおいて"ベータ"というのは現実世界での走行距離が10億マイル(16億キロ)に達していないシステムは全てそう呼んでいるだけだ」という説明をこれまでもしております。イーロン・マスクもツイートしてますよ。

ドライバーの安全のために厳しい批評の的になることは全く構わない。そうあるべきだ。

自動運転にまつわる複数の事故が起きたことで、米運輸省高速道路交通安全局(NHTSA)の調査も入っており、今メディアや社会から多くの批判的な声が上がっています。今後に注目です。

source: Consumer Reports

(塚本 紺)