牛のお尻に目を描いたら…ライオンの撃退に成功しました

牛のお尻に目を描いたら…ライオンの撃退に成功しました 1

蛇や熊退治にも応用できないかな?

アフリカライオンは、いまや絶滅危惧種にも指定されるほど、その数の減少が懸念されています。1990年代には10万頭を優に超えていたのですが、Botswana Predator Conservation Trust(BPCT)の調査によると、最近の生存数は2万3000頭〜3万9000頭程度まで減ってしまったとのことですよ。

(アフリカライオンが)安全に守られる動物保護区が狭まり、逆に人間の居住エリアが広がっている。そうなるにつれて、互いの境界でライオンと人の接触機会も増えてきている。

オーストラリアのニューサウスウェールズ大学にて、生物保護の研究を進めるNeil Jordan博士は、このように語って、今後もアフリカライオンの減少は続くとの見解を表明。

多くのライオンが殺されてしまう最大の原因は、家畜を襲うライオンから家畜を守ろうとして、地元民が射殺するためで、この問題の有効な解決策はいまだに出されていません。

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そこでJordan博士は、ボツワナで「iCow」とよばれるプロジェクトを展開。62頭の牛からなる群れを放牧する地元農家と協働し、その3分の1の牛のお尻大きな目玉模様を描きました。

この目玉模様作戦、10週間におよぶフィールドテストを実施したところ、同期間にライオンによって襲われた牛の数は、わずか3頭にまで減少。しかも、その襲われた3頭は、いずれも目玉模様を描かれなかった牛ばかりだったそうですね。

実はiCowの発想そのものは、まったく目新しいものではありません。羽を広げると大きな目玉模様になり、鳥を驚かせて近寄らせないチョウの眼状紋など、自然界に数多くのヒントが存在しています。すでにインドでは森林地帯で働くきこりが頭の後ろにお面をかぶり、その描かれた視線で虎を寄せつけない工夫などもしてきました。

Jordan博士は、ライオンが狩りをするとき、獲物へひそかに近づき、不意を突いて襲いかかる習性に着目。もし獲物のインパラが、近づいてくるライオンに気づいてしまうと、ターゲットにするのをあきらめる場合が多いことを発見しました。見られていることがわかれば、あえてライオンは牛に襲いかかろうとしないのでは?

iCowが現地で注目を集めているのは、その家畜保護手法としての低コストさが理由です。最初のフィールドテストを終え、現在はBPCTとともに、GPSキットを牛とアフリカライオンの双方に装着しながら、さらなる効果性アップに向けた研究調査が続けられていますよ。

ほかの捕食動物をよけるのに効くのかどうかはわかりませんが、この夏は大きな目玉模様が入ったバックパックでも背負って山歩きをしてみるとよいかもしれません…。

images by Ben Yexly/University of New South Wales

source: Oddity Central

Jennifer Ouellette - Gizmodo US[原文

(湯木進悟)