映画史に残る5つのアクションシーンがすばらしい理由

映画史に残るアクションシーンのすごさとは?

何度見ても見入ってしまう、伝説の域のファイトシーンの数々。

娯楽性が高く、気軽に楽しめる上にスカッとしてストレス解消にもぴったりのアクション映画。ストーリーと展開は単純な印象ですが、殴ったり蹴ったり、武器を使って相手を痛めつけたりと、アクションシーンは奥が深いものです。

むやみやたらに爆発を使用したり、アラを隠すために手ぶれを使ったり、動きに過剰なほどブラーをかけてとりあえずかっこ良く見せているものは良いアクションシーンとは言えません。

アクションシーンは作品の流れの一部であり、そこに至るまでの理由、状況、感情が背景にあり、なぜ行動に移ったのか?が語られている必要があります。

そこで今回はCineFixが動画にまとめた、映画史に残るアクションシーンとその理由をご紹介します。一部作品のネタバレがありますので、ご注意ください。

「マッドマックス 怒りのデス・ロード」ジョージ・ミラー監督(2015年)

マックスの運転する車が襲撃され、ハンドルを奪われてしまう一連のシーン。短いシーンにもかかわらず、シームレスにほぼ全てのキャラクターが登場しています。

チェーンを切るという単純な動作に、既出のシーンと異なる意味合いを持たせていることにも注目です。

「ザ・レイド」ギャレス・エヴァンス監督(2011年)

ギャング制圧のためにビルに乗り込んだSWATが、狩られる側に回ってしまった場面。ライトが落とされ、最悪の事態が起こるであろう張り詰めた空気を、俳優の視線とビジュアルで伝えています

回るドアノブ、配置につくSWAT、しかし何かに気づいて視線を上階に向けると、カメラが映し出すのは武装したギャング。観客はSWATが絶体絶命のピンチにあることをいち早く知ります。緊張が最高潮に達したときに発射された一発の弾。発射炎が映し出すSWATの影とそのあとのカオス……。

無情なほど効率的に絶望を伝えた、素晴らしいストーリーテリングと言えるでしょう。

「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」ピーター・ジャクソン監督(2002年)

ヘルム峡谷の戦いは、群衆バトルにもかかわらず「ピラミッド型アクション」を構成し、頂点の行動が下にどのような影響を与えているのかを描き、観客にバトルの全体像を把握させることに成功しています。

「グリーン・デスティニー」アン・リー監督(2000年)

キャラクターが繰り出すパンチのひとつひとつに、その人物の背景や感情を盛り込むことは容易ではありません。しかし、殺陣の動きすべてに物語や感情を織り込んだのが「グリーン・デスティニー」です。

秘剣グリーン・デスティニーを盗んだチャン・ツィイーとそれを阻止しようとするミシェル・ヨーの戦いでは、バトルを通してツィイーがヨーの武術を盗んでいるのがわかります。また、チャン・ツィイーとチョウ・ユンファのバトルは、ツィイーの未熟さとユンファの落ち着きが手に取るように描かれています。

映画史に残るアクションシーンとよく言われるミシェル・ヨーとチャン・ツィイーの戦いは、言葉がなくとも、グリーン・デスティニーに頼ったツィイーと、武器は劣るものの秀でた武術を持つヨーの差を、表情や動きで伝えているのです。

最終的に、グリーン・デスティニーという完全無欠の武器のおかげで優勢だったツィイーが、ヨーに好きな武器を選ぶことを勧め、戦闘は己の武術とグリーン・デスティニーに対する執着が中心になります。あえて斬らせた剣でヨーがツィイーの首もとをとらえ、決着がつくという流れは、プライドと忍耐力の差を見せつけた最高の終わりかたと言えるでしょう。

「ボーン・アルティメイタム」ポール・グリーングラス監督(2007年)

昨今のアクションはあえて手ぶれで臨場感を演出する作品が多く見られますが、手ぶれは背景や稚拙なアクションのごまかしに使われることも少なくありません。また、画面が動きすぎて何を見せられているのかがわからないといった点もあり、観客からの評判は決して高くないと言えます。

しかし、一概に手ぶれがマイナスとは言えません。「ボーン・アルティメイタム」では、リアルなファイトを演出するために手ぶれが導入されていますが、それはまさに「臨場感の演出」のため。見せるべきところを見せる、何が起こっているかを観客にしっかり理解させた上で、手ぶれを効果的に使用しているのです。

source: YouTube

Casey Chan - Gizmodo Sploid[原文
中川真知子